株式会社ケイト・スペード

ファッションビジネスの業務基盤に
JMAS:M3 on AWSを採用

目的

業務上の頻繁な変更に対応し得るERPを早期導入し、旧システムからの業務を移行したい

現状システムの課題
  • 現行サーバの刷新が急務だが、サーバ管理者が設置できない。
  • 顧客層や来店者の購入目的の異なる各店舗の特色を勘案し、手作業で商品の配分を行わなければならない。
  • 輸入仕入管理において、倉庫間での電子メールのやりとりや、データの目視チェックに大幅に時間を割かれる。
導入の効果
  • システムインフラをすべてクラウド上へ展開。
  • Info M3の標準UIをカスタマイズし、商品ラインアップを見ながら一括配分を可能に。
  • 煩雑な業務の効率化に成功!
  • 輸入仕入管理において、倉庫間での電子メールのやりとりや、データの目視チェックに大幅に時間を割かれる。

選定の決め手は「機能とコンサルティングの総合力」

【写真右】取締役副社長/COO 竹林 朋毅 氏 / 【写真中央】コマーシャルオペレーション部 安田 理勉 氏 / 【写真左】IT部 シニアマネージャー 岡本 直子 氏

株式会社ケイト・スペード ジャパン(以下、ケイト・スペード ジャパン)は、国内でファッションブランド「kate spade new york」および「JACK SPADE」を展開する企業だ。1996年に国内ファッション企業を代理店としてkate spade new yorkが日本に上陸して以来、オシャレでかわいらしいデザインに遊び心を加えた「気分を盛り上げてくれるブランド」として主に20代~30代女性の支持を広げてきた。

バッグからスタートし、小物、洋服へと商品ラインアップを広げてきたkate spade new yorkは、いまでは手の届くラグジュアリー感を提供してくれる、女性のライフスタイルブランドへと成長した。男性ブランドのJACK SPADEも好調で、ビジネスは急速に拡大している。

合併パートナーからの独立でプロジェクトは始まった

その同社は2012年、米国本社の100%子会社として独立を果たした。

当初は代理店として、ビジネスが軌道に乗ってからは合弁パートナーとして、長く国内での成長を支えてくれたファッション企業から、日本法人の株式を米国本社が買い取ったためだ。ファッション業界ではよくある友好的な独立で、システムは当面使わせてもらうことになったが、いつまでも甘えているわけにはいかない。早急に、自社システムを立ち上げる必要があった。

ケイト・スペードジャパンが基幹システム刷新に求める要件

1.早急なシステム構築

ビジネスのインフラとなるERPを早急に導入し、旧システムから業務を移行しなければならない

2.新規業務への柔軟性

業務や商品の追加が頻繁に発生する企業文化にこたえられるソリューションである

取締役副社長/COO 竹林 朋毅氏は、「当時の事業規模は100億円程度。ビジネスのインフラとなるERPを早期に導入し、旧システムから業務を移行しなければなりませんでした。私たちには、どんどん新しいことをやっていく企業文化があり、業務や商品の追加が頻繁に発生します。それにこたえられるソリューションを探すことになりました」と話す。

数あるソリューションの中からJMAS:M3 on AWSを採用

当時、ITの専任スタッフは、現在IT部シニアマネージャーを務める岡本 直子氏わずか1人だけだった。コンサルタント時代に、ERP導入の経験がある竹林氏の指示を受け、岡本氏は8つのソリューションを評価・検証。自社に必要な約60項目の機能について、それぞれの「既存機能で対応可」「カスタマイズ必要 大/中/小」「対応不可能」を洗い出した。さらにそれらを点数化し、コスト面も評価して重み付けを行った。そこで最高ランクの評価を獲得したのが、JMAS:M3 on AWSだった。「JMAS:M3 on AWSの機能評価だけでなく、社内にサーバを持っていない私たちに、最初からクラウドが最適だと提案してくれたことや、英語で本社とやりとりできるコンサルタントの存在もあり、採用を決めました」(岡本氏)

ケイト・スペードジャパンがJMAS:M3 on AWSを選定した理由

1.約60項目の機能比較で高評価

8つのソリューションから各機能ごとに「既存機能で対応可」「カスタマイズ必要 大/中/小」「対応不可能」の観点とコスト面において最高評価であった

2.社内にサーバを持たない、クラウドでの提案

社内にサーバを持っていない私たちに、最初からクラウドが最適だと提案してくれた

3.グローバル対応可能なコンサルタント

英語で本社とやり取りできるコンサルタントが存在していた


プロジェクト成功の鍵と導入効果

プロジェクトが進むと、プロジェクトのスコープ外の相談を受けることも増えた。その結果、米国本社との調整を含むJMAS:M3 on AWSの導入・環境設定に加え、本社/店舗のネットワークといったシステムインフラ構築やセキュリティ対応、ファイルサーバ、ID管理(Active Directory)、資産管理ツール、BIの導入など、POS開発を除くプロジェクト全体をJMASがリードすることになった。

JMAS:M3 on AWSは2015年に稼働した。他社が担当していたPOSの開発遅延により、リリーススケジュールは何度がずれたが、柔軟なスタッフ配置により、システム移行という大きなイベントを成功に導くことができた。

最も力を入れて開発した配分機能は、

大幅な業務の効率化を果たした

ケイト・スペード ジャパンは、路面店、アウトレット、空港、百貨店など、顧客層や来店者の購入目的が異なるさまざまな場所でショップを展開している。それぞれの店舗の特色を勘案し、「どの商品を」、「どの店舗に」、「どれくらいの量」配分するかを決める機能だ。 岡本氏は、「この部分は、入力のわずらわしさから、以前のシステムで最も不満の多かったところです。Infor M3の標準UIをJMASがカスタマイズしてくれたことで、マトリックス形式で商品ラインアップを見ながら、一括で配分できるようになりました。すべてをシステム上で行えるようになったことで、それまで1時間かかっていた作業を10分に短縮できたケースもあったと報告を受けています」

輸入仕入管理でも、大きな変化があった

すべての商品は輸入品であるため、海外の倉庫から国内倉庫へ届く。海外で出荷できる状態になると、その情報をフォワーダーと共有し、スムースに国内倉庫へと届けなければならない。以前は、その内容がすべて電子メールで送られてきていた。フォワーダーから来る情報と目視チェックを行い差異があれば都度連絡するプロセスになっていたのだ。JMASのエンジニアは、この情報連携を自動化。差異がなければ自動承認する仕様とした。

コマーシャルオペレーション部 安田 理勉氏は、「以前の業務はかなり大変で、繁忙期にはアルバイトを雇うこともありました。いまでは、差異のあるものだけに対応すればよくなったため、繁忙期を除けばほかの業務に割ける時間が増えました」と話している。

 

今後のIT戦略と期待

JMAS:M3 on AWSは急速に業務に浸透し、大きなトラブルもなく安定運用フェーズに入った。

クラウドプラットフォームのAWSを利用するため、サーバを持つ必要はなく、ITスタッフも最小限に抑えられている。米国本社のセキュリティ基準を、AWSを使うだけでクリアできた部分もあったという。

2015年2月現在130億円規模に成長したビジネスのシステムインフラを、クラウド上に展開したのは、世界的に見ても先進的なケースと言える。

そしていま、プロジェクトは第2フェーズを迎えている

近く待っているのは、ECサイトとの統合だ。

JMAS:M3 on AWSの商品マスターをECサイトのマスターと連動させ、より効率的な商品管理/販売管理を可能にする計画だ。

さらなる展開も予定されている。ケイト・スペード ジャパンは、中・長期的な展望として、現在ビジネス全体の1%程度にすぎない卸事業を強化したいと考えている。JMAS:M3 on AWSはファッション業界の卸売に最適なモジュールも用意しており、それを活用することが視野に入っているという。さらに、人事機能の展開やオムニチャネル連携の強化、店舗スタッフのタブレット利用などにも、JMAS:M3 on AWSを中心に活用していきたい考えだ。

竹林氏はJMASの評価について、「優れた内容の提案を受け、プロジェクトに一切の不安を感じませんでした。プロジェクトでは、われわれや米国本社からの要求に、常に柔軟に対応してくれて、満足しています。今後も長期的な戦略目標の実現をサポートしてもらいたいと考えています」と話してくれた。


会社プロフィール

社名
株式会社ケイト・スペード ジャパン
本社
東京都渋谷区神宮前4丁目26番18号原宿ピアザビル6階
創設
2009年11月
業務内容
服飾雑貨、アパレル事業(ファッションバッグ、革小物、アクセサリー、生活雑貨などを含む)
URL
https://www.katespade.jp/

1993年にニューヨークで誕生したケイト・スペード ニューヨーク(kate spade new york)は、ハンドバッグを中心にアパレル、シューズ、アクセサリ一、時計、ホームコレクションなどを展開するライフスタイルブランド。
女性達にクリエイティブでカラフルなライフスタイルを提案します。