播州信用金庫

全渉外担当者にKAITOセキュアブラウザを
導入したタブレット端末を展開
取次業務の非効率を解消し
CRMシステムへのセキュアなアクセスを実現

目的

取次業務のさらなる効率化を図り、CRMシステムへのセキュアなアクセスも実現する

概要
  • 播州信用金庫(以下、播州信金)は、取次業務をはじめとする渉外営業のさらなる効率化を図るため、職員用のWindowsベースのスマートフォンをタブレット端末に切り替えることを決断
  • タブレット端末に導入したKAITOセキュアブラウザから既存のCRMシステムにアクセスして営業活動を行うスタイルを確立
  • 結果、播州信金では、取次業務プロセスのツールとして利用していたセールス支援システムのタブレット移行を果たし、情報漏えいリスクを極小化することに成功
  • 渉外担当者は外訪先で各顧客にひもづく案件の進捗状況や商談履歴などを確認しながらより最適な顧客アプローチを行えるようになった
課題
  • 旧スマートフォン(Windows)は画面が小さく、セールス支援システムへの入力や確認作業に手間を要していた
  • 外訪先から各顧客にひもづく案件の進捗状況や商談履歴を閲覧できなかった
選定理由
  • 端末内にデータを残さない運用を強制できる
  • 金融機関での実績が豊富で、低コストに導入できる
  • 高度なフィルタリング機能を有する
  • すべての端末に同一のセキュリティポリシーを適用できる
導入の効果
  • 端末の盗難、紛失に伴う情報漏えいリスクを排除できた
  • CRMシステムへのセキュアなアクセスを実現し、サービス品質が向上した

渉外営業の合理化と効率化を目指す

播州信金は兵庫県姫路市に本店を置き、兵庫県南部地域一帯及び大阪府の一部に68支店を展開する。「地域の皆様に奉仕する」という経営理念のもと、地域密着型金融を推進し、地域経済の持続的な発展に貢献している。

播州信金は2012年、すべての渉外担当者にWindowsベースのスマートフォンを配布し、セールス支援システムの利用を開始。渉外営業における取次業務の効率化を図ってきた。取次業務は、顧客から預金の入出金や振込、通帳の記帳、金融商品の購入などの依頼を受けて一時的に現金や通帳、小切手、印鑑、手形、証券などを預かり、内勤者に処理を引き継ぐ一連のプロセスを指す。取次業務では通常、スマートフォンからセールス支援システムにアクセスして預り物件や手続き内容などを入力し、モバイルプリンターで預かり証を発行する。登録内容はすぐにサーバに保存され、帰店後、事務処理担当者へすばやく処理を引き継げる体制だ。

システム部 システム開発課 次長 稲垣 戦巳氏は、「従来のスマートフォンは画面が小さく、スマホの扱いに慣れていない渉外担当者はセールス支援システムへの入力や確認作業にてこずっていました。誤入力があるたびに登録内容の修正や預かり証の再発行などを余儀なくされます。画面の小ささゆえに業務での利用シーンが限られてしまうことも不満でした」と語る。

また、従来のスマートフォンでは既存のCRMシステムにアクセスできず、外訪先から各顧客にひもづく案件の進捗状況や商談履歴などを閲覧できなかった。商談中にヒアリングした内容もその場で登録できないため、帰店後の残務処理に回さざるを得なかったという。

システム部 システム開発課 係長 木村 瞬氏は、「外訪先でも店舗にいるときと同等の情報を閲覧できる環境を整備し、渉外担当者がお客様により最適なアプローチを行える体制を構築したいという思いは以前からありました。旧スマートフォンの保守期限切れのタイミングでタブレット端末へ切り替える方針を固めたのです」と話す。

播州信用金庫 システム部 システム開発課 次長 稲垣 戦巳 氏(左)
播州信用金庫 システム部 システム開発課 係長 木村 瞬 氏(右)

金融機関での実績を評価し
KAITOセキュアブラウザを選定

播州信用金庫 システム部 システム開発課
係長 高田 淳史 氏

タブレット端末を導入する上での前提条件となったのは、取次業務において既存のセールス支援システムを継続して利用できることだ。そこで播州信金は、Android OSを搭載するタブレット端末の採用を決め、端末導入ベンダーとしてNTTドコモ社を選定した。

システム部 システム開発課 係長 高田 淳史氏は、「重視したポイントは、サポート体制、セキュリティ、価格です。NTTドコモ社はどんな相談にも親身にこたえ、端末本体を解体されるなどのさまざまなケースを想定した情報漏えいリスクへの対策も提示してくれました」と語る。

タブレット端末で顧客情報などを閲覧させるにあたっては情報漏えい対策が必須だ。そこで端末の盗難・紛失や、不正サイトへのアクセスに伴う情報漏えいを防止する手段としてセキュアブラウザを検討。NTTドコモ社から提案されたいくつかのツールを金融機関での実績や価格、使い勝手などの項目で比較・評価し、JMASのKAITOセキュアブラウザを導入することを決めた。

高田氏は、「KAITOセキュアブラウザは、利用終了後に通信履歴やキャッシュ、Cookieなどを自動消去するため、端末内にデータを残さない運用が可能です。また、管理者は容易に設定変更を行い、すべての端末に同一のセキュリティポリシーを適用できます。職員によるイレギュラーな使い方を制限し、情報漏えいリスクを極小化できることを確認しました」と話す。

開発では、店舗のパソコンとタブレット端末の環境の違いによってWebページの見え方が変わらないようWebコンテンツを調整。CRMシステムの入力フォーム内にある一部項目をテキストボックスからプルダウンリスト形式に変更するなどの改修も行った。KAITOセキュアブラウザは端末にインストールするだけで利用できるため、導入負担はほとんどなかったという。

播州信金は2017年4月、KAITOセキュアブラウザをインストールした約500台のタブレット端末を展開した。

渉外担当者は外訪先でCRMシステムにアクセスし、各顧客にひもづく案件の進捗状況や商談履歴などを確認したり、商談内容を登録したりすることが可能になった。結果、顧客対応漏れや商談機会のロスは減り、サービス品質が向上。帰店後の残務処理も減ったという。さらに、KAITOセキュアブラウザではブラックリスト・ホワイトリスト方式のフィルタリングを併用し、情報漏えいの発端となり得る不正サイトや業務外サイトへのアクセスを制限している。

播州信金は今後、タブレット端末の業務利用範囲を広げていく。ユーザが求めるコンテンツを提供していくことでタブレット端末の利用率を高め、さらなる業務効率化とペーパーレスを推進したい考えだ。


会社プロフィール

社名
播州信用金庫
本社
姫路市南駅前町110番地
URL
http://www.shinkin.co.jp/banshin/index.html

播州信金は兵庫県姫路市に本店を置き、兵庫県南部地域一帯及び大阪府の一部に68支店を展開する。「地域の皆様に奉仕する」という経営理念のもと、地域密着型金融を推進し、地域経済の持続的な発展に貢献している。