株式会社アット東京

BPRの一環として
KAITOセキュアカメラを導入し、
撮影から報告に至る業務プロセスを劇的に改善
コロナ禍のイレギュラーな
検収プロセスにも対応

目的

データセンターの設計、構築、運用、保守シーンでの撮影から報告に至る業務プロセスでの情報漏えい対策の強化と、プロジェクトチーム内での迅速な情報共有の実現

概要
  • 株式会社アット東京(以下、アット東京)では、データセンターの設計、構築、運用、保守において工事の進捗に応じた施工内容や設備の状況などを画像として記録する
  • 各種報告書の作成や、品質管理における情報共有に用いるためだ
  • ただ、iPhoneの標準カメラアプリとデジタルカメラを用いた従来の撮影スタイルでは端末内に画像データを残さない運用ができず、膨大な画像データを迅速に社内共有することも難しかった
  • そこでアット東京のBPR企画部(※)は、モバイルデバイスの活用を軸とした撮影から報告に至る業務プロセス改善に着手 ※BPRはBusiness Process Re-engineering(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)の略
  • JMASのKAITOセキュアカメラを導入し、情報漏えい対策の強化と情報共有スピードの高速化を実現した
課題
  • iPhone端末内に画像データを残さない運用を実現する術がなかった
  • 膨大な画像データをプロジェクトチーム内で共有する際に手間と時間がかかる
選定理由
  • 撮影した画像データがサーバへ転送された後、端末内から自動削除される
  • Active Directoryと連携できる
  • オンプレミスを選択できる
  • iOSだけでなくAndroid OSでも利用でき、OSのバージョンアップにも随時対応できる
導入の効果
  • 撮影から報告までの業務プロセスにおいてiPhone端末内に画像データを残さない運用を実現できた
  • 膨大な画像データを共有するスピードが格段にアップし、事務スタッフは各種報告書の作成にすばやく取りかかれるようになった
  • コロナ禍のイレギュラーな検収プロセスを滞りなく進めることができた

撮影から報告に至る業務プロセス改善が急務に

アット東京は、データセンターのリーディングカンパニーだ。「堅牢で信頼性の高い設備」と「柔軟で拡張性に優れたコネクティビティ」を武器に、世界最高水準の品質を誇るデータセンターサービスを提供している。「つづく、つながる、生まれる 共創型データセンター」として顧客のビジネスを支え、さまざまな社会課題を解決しながら自らも成長し続けることが目標だ。

アット東京のBPR企画部は「いつでも、どこでも」のコンセプトのもと、モバイルデバイスを活用した働き方改革を進めている。2019年には全社員を対象にiPhoneを配布。ビジネスに役立つさまざまなコンテンツを用意し、業務の効率化とサービス品質の向上を図ってきた。今回、BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)の一環として取り組んだのがモバイルデバイスの活用を軸とした撮影から報告までの業務プロセス改善だ。

BPR企画部 部長 山家 昇氏は、「われわれは24時間365日のミッションクリティカルオペレーションをモットーに、高品質かつきめ細かなデータセンターサービスを提供しています。空調システムや電源システム、ネットワーク、セキュリティなどの機能を適切に組み合わせ、お客様の要望に合わせたサーバルームの設計から構築、運用、保守までをトータルにサポートしています。流動的なチームメンバーが足並みをそろえてプロジェクトを進行するための要素として記録写真の撮影、および報告業務は欠かせません」と語る。

たとえば、サーバルームの設計、構築においては、工事の進捗に応じた施工内容を画像として記録する。それらの画像データは、社内の情報共有や顧客への状況報告、工程管理などに必要な各種報告書に添付される。また、サーバルームの運用、保守においては設備の故障や事故などを未然に防ぐための伝達事項を画像や動画として記録する。ただ、iPhoneの標準カメラアプリを用いた従来の撮影スタイルにはいくつかの問題があったという。

BPR企画部 システム管理グループ 主任 小島 剛志氏は、「お客様の大切な情報資産を厳重に管理する立場として、データセンターの詳細な場所や内部構造などを外部に漏らすことは決して許されません。これまで、モバイルデバイス管理ツールを利用した端末管理を行い、リモートロックやリモートワイプなどの情報漏えい対策も講じた上で撮影と報告の業務にあたらせてきましたが、端末内に画像データを残さない運用を実現する術を持ちませんでした。また、膨大な画像データをプロジェクトメンバー内で共有する際にもかなりの手間と時間がかかっていました。実際、コミュニケーションアプリ上にグループを作成し、そこに画像データを1件ずつアップロードしなければならなかったのです」と話す。

会社貸与のデジタルカメラを用いた一部の撮影、報告業務でも画像データを迅速に共有できなかった。外部記憶媒体との接続が許可された専用端末に対象のデータを落とし、それらをファイルサーバの共有フォルダに収める必要があったためだ。撮影から報告に至る業務プロセスでの情報漏えい対策の強化と、迅速な情報共有を実現する新たなツールが求められた。


費用対効果を試算した上で
KAITOセキュアカメラを導入

BPR企画部は、iPhoneで撮影された画像データを安全かつ迅速に社内共有するためのツールとして、もともと知っていた他社製アプリを決め打ちで導入しようと考えていた。しかし要件の不一致などから採用に至らず、別のツールを調査する中でJMASのKAITOセキュアカメラを探し当てた。

小島氏は、「KAITOセキュアカメラで撮影した画像データはサーバへ転送された後、端末から自動的に削除されます。これを利用すればユーザのセキュリティ意識やモラルに依存することなく、端末内に画像データを残さない運用を実現できると確信しました」と語る。

KAITOセキュアカメラを評価したところ、Active Directory連携、オンプレミス、マルチOS対応、OSバージョンアップへの随時対応といった要件をクリアできることが分かった。費用対効果の試算結果を交えた経営層への説明を経て、2020年2月にKAITOセキュアカメラの採用が決まった。


各種報告書の作成に必要な画像データを
すばやく取得可能に

BPR企画部は2020年3月、データセンターの設計、構築、運用、保守シーンでの撮影と報告の業務にKAITOセキュアカメラを利用できる環境を整えた。KAITOサーバの設定に要した期間は約2週間。開発着手から短期間にリリースまでこぎつけることができた。

KAITOセキュアカメラはアット東京の社内ユーザから好意的に受け入れられている。運用開始以降、1カ月あたり約2,000件のデータ転送が行われている状況だ。転送完了後、トランザクションごとに作成されるKAITOサーバ上のアルバムにアクセスすれば画像データを閲覧、取得できる。膨大な画像データをプロジェクトチーム内で共有するスピードは格段にアップしたという。

小島氏は、「Active Directoryでユーザ認証基盤を構築し、各社員が業務上必要なアルバムだけにアクセスできる仕組みになっています。施工内容などを記録した画像データが事務スタッフの手に渡るまでのタイムラグはほとんどなく、報告書作成に着手できるまでの時間が大幅に短縮しました。もちろん、情報漏えい対策を強化できたことも大きな成果です」と話す。

KAITOセキュアカメラの運用開始後、新型コロナウイルス感染症拡大防止策での入国制限によって海外の顧客が現場での検収を行えなくなるケースもあった。急遽、検収方法に画像データを用いることになったが、そこでもKAITOセキュアカメラが役立ったという。

技術・サービス本部 設備構築部 構築3グループ サブグループマネージャー 佐藤 値生氏は、「お客様の検収用に撮影した画像データは約1,000件。イレギュラーな検収プロセスを滞りなく進めることができたポイントは、遠隔地にいる事務スタッフに膨大な画像データを迅速に共有できたことにあると考えています。ソート機能も使いやすく、必要な画像データの抽出も容易でした。従来のやり方ではこれらの作業に相当な時間と労力を要したはずです」と語る。

BPR企画部は今後、営業スタッフにもKAITOセキュアカメラの利用を定着させる。顧客との会議や商談における資料、ホワイトボードなどの画像データを共有することで、より効果的なチームコラボレーションを促したい考えだ。山家氏は、「われわれが委託先の点検員に公開する点検報告システムでは、デジタルカメラで記録された画像も含めて結果を報告できるようになっています。今後は、彼らが携行するiPadにもKAITOセキュアカメラを追加で導入し、大量の画像をより安全かつ迅速に共有できる仕組みを構築できれば理想です」と話した。


会社プロフィール

社名
株式会社アット東京
本社
東京都江東区豊洲5-6-36
URL
https://www.attokyo.co.jp/

アット東京は、データセンターのリーディングカンパニーだ。「堅牢で信頼性の高い設備」と「柔軟で拡張性に優れたコネクティビティ」を武器に、世界最高水準の品質を誇るデータセンターサービスを提供している。「つづく、つながる、生まれる 共創型データセンター」として顧客のビジネスを支え、さまざまな社会課題を解決しながら自らも成長し続けることが目標だ。