株式会社香川銀行

渉外担当者に貸与するiPadに
KAITOセキュアブラウザを導入
預かり業務と撮影業務の
さらなる効率化と利便性の向上を実現

目的

預かり業務や撮影業務のさらなる効率化と利便性の向上を実現し、機密管理も強化したい

概要
  • 株式会社香川銀行(以下、香川銀行)では、渉外担当者がiPadからシンクライアント環境にログインした上で行内の各種システムを利用してきた
  • 業務効率化と利便性の向上を実現するため、外訪先での利用を前提とする顧客向けiPad用システムへのアクセス方式をJMASのKAITOセキュアブラウザに切り替えた
  • iPadを利用した預かり業務や撮影業務の非効率を解消し、情報漏えいリスクも極小化した
課題
  • iPad画面上でのサインの書き味の悪さが顧客のストレスになっていた
  • 顧客向けiPad用システムへのアクセスに時間がかかり、顧客を無駄に待たせてしまっていた
  • iPadの標準カメラを利用した撮影業務では画像データをiPadローカル内に一時的に保持しなければならなかった
  • シンクライアント環境下にあるiPadの位置情報を取得する術がなかった
選定理由
  • JMASの提案力とサポート体制
  • iPad内に情報を残さない運用を強制
  • 金融機関での実績が豊富
効果
  • iPad画面上でのサインの書き味が格段に向上した
  • 顧客向けiPad用システムにすばやくアクセスできるようになった
  • 撮影業務に伴う情報漏えいリスクが極小化した
  • 渉外担当者一人ひとりの所在地を把握し、行動管理を徹底できるようになった

電子署名時の顧客のストレスを軽減したい

香川銀行は、香川県、愛媛県、岡山県を中心とする瀬戸内経済圏を主要な営業基盤とする地域金融機関である。2023年4月から2026年3月の3年間を計画期間とする第19次経営計画では「Plan VSI 『Value』&『Speed』&『Inspire』~付加価値とスピードで感動を届ける~」をスローガンに、サステナビリティ戦略、ガバナンス戦略、営業戦略、オペレーション戦略、人財戦略の5つの基本戦略を推進している。

同行では2021年、すべての渉外担当者を対象にiPadを配布。iPadと行内システム間で画面情報だけをやり取りするシンクライアント環境を構築し、Webブラウザ経由で各種システムにアクセスできる仕組みを運用することで業務の効率化を図ってきた。

iPadが活用されるのは、顧客から預金の入出金や振込、金融商品の購入などの手続きの依頼を受け、現金や通帳、小切手、印鑑などを一時的に預かるシーンだ。渉外担当者はiPadで預かり管理システムにアクセスすると預かり情報を登録し、顧客に内容を確認してもらった後、iPad画面上にて手書きのサインをもらう。内勤者によるオペレーション完了後、顧客を再訪し、預かり物件を返却する際にもiPad画面上で署名してもらう流れだ。

香川銀行 常務取締役 管理本部副本部長兼事務システム部長 金岡 紀嘉氏は、「iPadから行内システムにアクセスする上での手順が多く、預かり情報の登録に際してお客様を無駄に待たせてしまう問題がありました。また、iPadで入力した内容が画面上に反映されるまでのタイムラグがサインの書き味の悪さにつながり、お客様のストレスを生んでいたのです」と語る。

外訪先での口座開設の申し込み受付時や、取引先融資における現場実査時の撮影業務にもiPadが使われている。撮影対象は身分証明書や本人確認書類、不動産物件・担保物件などだ。ただ、シンクライアント環境下で標準カメラを利用した場合には画像データをiPadローカル内に一時的に保持しなければならなかった。これは機密管理の観点で見逃せないリスクである。

香川銀行 事務システム部兼総合企画部デジタル戦略室副部長 大西 由泰氏は、「渉外管理者からは渉外担当者一人ひとりの所在地を把握し、行動管理を徹底したいという要望もありました。しかし、シンクライアント環境下にあるiPadの位置情報を取得する術がなかったのです」と話す。


iPadでの行内システムへのアクセス方式を
KAITOセキュアブラウザに

香川銀行は既存のシンクライアント環境の改修によってこれらの課題を解決することは困難と判断し、新たなツールの調査を開始。いくつかの行内アクセス方式とツールの組み合わせについて検討する中、有力な選択肢として挙がったのがJMASのKAITOセキュアブラウザだ。

KAITOセキュアブラウザは、不特定多数が使い回すことを前提とするiPadにおいて機密管理のさまざまな要求事項を満たすことが可能だ。まず通信履歴やファイルの閲覧履歴、キャッシュ、ローカルストレージ情報、Cookieなどを端末内に残さない運用を行える。また、同一シリーズであるKAITOセキュアカメラの機能の一部を利用でき、それで撮影された画像データも端末内から削除される。

香川銀行 事務システム部調査役 山下 伸幸氏は、「KAITOセキュアブラウザは、機能やコスト、金融機関での実績面でもわれわれの要求にかなうツールでした。KAITOセキュアブラウザを導入済みの他行から聞いた評判も上々で、安心して無償版での評価に取り組むことができました」と話す。

同行はKAITOセキュアブラウザの安全性の検証を実施。使い勝手や性能についても実用的な水準に達していることを確認し、KAITOセキュアブラウザの採用を決めた。トモニシステムサービス 第1システム部課長 井村 岳人氏は、「JMASはわれわれと密にコミュニケーションをとりながら目的とゴールの決定から、そのために必要な設定と機能の実装、評価、改善のプロセスを円滑に進めてくれました。問い合わせ対応などを含めたサポートも手厚く、スピード感を持って開発を終えることができました」と話す。


受付業務基盤としても
KAITOセキュアブラウザを使いたい

香川銀行では2023年3月、外訪先から利用する顧客向けiPad用システムへのアクセス方式をKAITOセキュアブラウザに切り替えた。従来の行員向けシステムを置くシンクライアント環境とKAITOセキュアブラウザとの二刀流の運用はいまのところ順調である。

現在、すべての渉外担当者はiPadに導入されたKAITOセキュアブラウザ経由で預かり管理システム、および口座開設システムにアクセスし、必要な業務を行っている。新たな仕組みにより、手続きの依頼を受けてからシステムを利用できるまでの顧客の待ち時間は大幅に削減。手書き入力のレスポンスが格段に向上し、電子署名時の顧客のストレス要因をつぶすこともできた。業務効率化と利便性の向上を目的に導入された両システムが本来のパフォーマンスを発揮できるようになったのは大きな成果だ。

大西氏は、「KAITOセキュアブラウザはユーザから好意的に受け入れられています。その証拠に、操作方法などに関する問い合わせや苦情は一切ありません。サインの書き心地がよくなったというお客様の言葉にはっきりと成果が見て取れて、当行としてはうれしい限りです」と語る。

KAITOセキュアブラウザに搭載されたカメラ機能も日々活用されている。いまでは本人確認書類などの控えの取得時や現場実査時に撮影された画像データがiPadローカル内に保持されてしまう問題もない。より厳格な機密管理体制をとれるようになった。また、渉外管理者はGPSによる位置情報をもとに渉外担当者一人ひとりの移動経路や訪問履歴を可視化している。これにより、顧客への訪問機会を増やす適切な指示出しが可能になった。

金岡氏は、「KAITOセキュアブラウザは、お客様に安全かつ高品質なサービスを提供するための業務基盤として欠かせない存在です。今後は、iPad上のKAITOセキュアブラウザを介して通帳や届印の紛失、届け出内容の変更などに伴う受付業務を行えるようにシステム開発と改修に取り組んでいきたいと考えています」と話した。


会社プロフィール

社名
株式会社香川銀行
本社
香川県高松市亀井町6番地1
URL
https://www.kagawabank.co.jp/

香川銀行は、香川県、愛媛県、岡山県を中心とする瀬戸内経済圏を主要な営業基盤とする地域金融機関である。2023年4月から2026年3月の3年間を計画期間とする第19次経営計画では「Plan VSI 『Value』&『Speed』&『Inspire』~付加価値とスピードで感動を届ける~」をスローガンに、サステナビリティ戦略、ガバナンス戦略、営業戦略、オペレーション戦略、人財戦略の5つの基本戦略を推進している。