B-R サーティワン アイスクリーム株式会社

AWS上にデータ分析基盤を構築し、
QuickSightで顧客データを
可視化できる環境を整備
~ 顧客理解を深め、最適なコミュニケーションで顧客体験価値のさらなる向上を目指す ~

目的

クラウドネイティブなデータ分析基盤を構築し、本部の営業担当者やマーケティング担当者、各加盟店オーナーなどがビジネスに役立つ洞察を迅速に獲得できる情報ソースに整える

概要
  • B-R サーティワン アイスクリーム株式会社(以下、サーティワン)は、現在のデータドリブン経営をさらに推進したいと考えていた
  • ビジネスで得られるさまざまなデータに対して、本部スタッフが自由にアクセスし活用できるシステム環境の整備が必要だった
  • Amazon Web Services(以下、AWS)上にデータ分析基盤を構築するパートナーとしてAmazon QuickSight(以下、QuickSight)を熟知するJMASを選定した
  • 数値データにもとづいた客観的な視点で顧客分析し、マーケティングや接客に生かすためのクラウドネイティブなデータ分析基盤を構築中である
課題
  • AWS上にデータ分析基盤を構築するにあたって、多種あるデータがバラバラな場所にあることや社内にある情報内容の把握や整理などができておらず、情報の活用において、上手く利用できていないなどの課題があった
選定理由
  • AWSのマネージドサービスをフル活用したデータ分析基盤の構築実績
  • 高度なコミュニケーションスキルと、高品質かつ迅速な対応
  • プロジェクトを強力に牽引できるサポート体制
効果
  • さまざまな顧客情報を可視化し、多角的な分析を可能にするデータ分析基盤を構築できた
  • CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)の構築とMA(マーケティング・オートメーション)ツールとの連携により、さらに高度な分析が可能になった
  • 本部スタッフのデータ活用への意欲が高まった

意思決定のスピードを迅速化したい

管理本部 デジタル推進部 Assistant Manager
村上 将 氏

サーティワンは、日本全国に約1,300ヶ所を展開する日本最大規模のアイスクリーム専門チェーンだ。「We make people happy.」をモットーに、おもてなしの心を大切にした店舗運営と安全・安心でおいしいアイスクリームの開発・製造を行っている。

同社は以前から社内のデータ活用のあり方について見直しが必要と考えていた。顧客データや商品データ、購買履歴データなど、ビジネスで得られるさまざまなデータを蓄積しているが、データベースの仕様上、本部スタッフが各種データに自由にアクセスし、抽出・分析するのは難しい環境だったためだ。それゆえ、本部スタッフによるデータ活用は各人が個別に管理しているデータをExcelで集計するにとどまっていた。その他に運用していたのがデータ集計・分析プロセスを外部に委託するスタイルだ。しかし、このやり方にも効率とコストの両面で限界が見えていた。

管理本部 デジタル推進部 Assistant Manager 村上 将氏は、「ビジネスアイデアは鮮度が命です。しかるべきタイミングで実行されなければ無駄になってしまうこともあります。しかし、データ集計・分析を外部に委託するスタイルでは、依頼から結果の報告までに約1カ月もの期間を要することもあります。これでは意思決定が遅れ、ビジネス機会を逸してしまうリスクがあったのです」と語る。

デジタル推進部として大量のデータから営業やマーケティング、接客などに役立つ洞察を迅速に獲得し、すばやくビジネスにフィードバックするためのデータ分析基盤の構築が求められたのだ。


JMASの高い順応性と手厚いサポート体制を評価

村上氏は、まずデータの収集、蓄積、加工、分析、可視化を実現するデータ分析基盤を構築し、本部スタッフが自由にデータを活用できることについて経営層の賛同を得た。そのプラットフォームとして選んだのがAWSだ。

村上氏は、「本部の営業やマーケティング担当者だけでなく、各加盟店オーナーもユーザとして想定しているため、ITリソースを柔軟に確保できるクラウドの利用が前提でした。そこで実際にQuickSightに触れてみて、パフォーマンスとコスト最適化の観点で当社のBIを担えるのはこれしかないと確信しました」と話す。

ベンダーの選定においてはAWSのパートナープログラム経由でQuickSightを熟知するシステムインテグレータを3社紹介してもらい、コンペを実施。技術力、コスト、サポート体制などの複数の項目について比較・検討したが、プロジェクトは一旦頓挫してしまったという。

村上氏は、「その後もJMASの営業担当者は足しげく当社を訪問してくれたことが印象に残っています。スモールスタートで実績を積み重ねていく方向で提案をまとめ直してくれたため、自分の中でもやりたいことの整理がつき、社内稟議を通しやすくなりました。改めて公正なコンペを行い、われわれに寄り添った提案をくれたJMASと正式にパートナーシップを結ぶことに決めたのです」と語る。

開発プロジェクトでは、同社が実現したいことについて入念なヒアリングと、要望をかなえるためのスケジュール調整やタスク管理をJMASが主導。PoCの検証とフィードバックのサイクルを高速に回し、機能やサービスの価値を見極めながらデータ分析基盤の完成度を高めていった。

村上氏は、「当社には専任のシステムエンジニアがいません。その中でもJMASはわれわれの大まかな構想をもとに最適なプランを作り、開発ステップやリスクについてもわかりやすく説明してくれたため、社内の反応は非常に好意的でした。余計なランニングコストをかけないアーキテクチャの実装、開発着手時と開発過程で生じた要件のズレを細かく修正しながら開発を円滑に進められたのはJMASのおかげです」と話す。


顧客理解を深め、
マーケティングや接客に生かしたい

サーティワンは、ファーストフェーズとしてクラウドネイティブなデータ分析基盤をリリースした。これによりサーティワン公式アプリ「31Club」にひもづくデータや、各店舗での購買データなどを統合。性別、年齢、郵便番号、などの顧客属性や、購買履歴、アイスマイル(ポイント)などのデータを統合的に管理し、「どんな顧客層が」「いつ」「どの店舗で」「どの商品を」「いくつ」購入したかをQuickSightで集計・可視化できる環境を整備することができた。

CDPの構築とMAツールとの連携も順調だ。これにより、客観的な視点での顧客理解の深化が可能になった。たとえば、性別、年齢、居住地域などの属性と、購買パターンなどをもとに顧客を分類し、各セグメントに対して適切な商品やサービスを最適なタイミングで提案していく。また、ロイヤルカスタマーの行動を観察し、一般会員のロイヤリティを高めていくために必要なコミュニケーションの方法も探っているところだ。

村上氏は、「今はJMASとともに分析対象データを徐々に拡大しているところです。多くの本部スタッフから新たな切り口でデータを見せてほしいという依頼がきており、データ活用に対する意欲の高まりがうかがえます。データを直接見ながら議論することのメリットが周知されてきた結果と考えると、とてもうれしいですね」と語る。

データ活用のイメージはほかにもある。これまで、店舗から得られるデータによって売れ筋商品を把握することはできても、それらに共通する要素や購買層、購買動機などは店舗の販売員が日々の接客の中で感じ取るしかなかった。これらを客観的な数値データで裏付けることで、より効果的な接客アプローチをかけたいと考えている。また、各商品の販売実績をもとに高精度な受注予測を行い、適正な生産管理・在庫管理・納期管理を行える体制を整備していくことも検討している。

村上氏は、「データを最大限に活用して価値のあるアウトプットを導き出していく過程においてJMASの存在感はますます大きくなっていくでしょう。データ活用のベストプラクティスの探求・実装においてJMASのサポートは不可欠ですし、本件にとどまらない技術支援もいただきたいと考えています」と話した。


会社プロフィール

社名
B-R サーティワン アイスクリーム株式会社
本社
東京都品川区上大崎3-1-1
URL
https://www.31ice.co.jp/

サーティワンは、日本全国に約1,300ヶ所を展開する日本最大規模のアイスクリーム専門チェーンだ。「We make people happy.」をモットーに、おもてなしの心を大切にした店舗運営と安全・安心でおいしいアイスクリームの開発・製造を行っている。