株式会社南都銀行

行員に貸与する全スマートフォンに
KAITOセキュアカメラと
KAITOセキュアレコーダを導入
記録データを迅速に行内共有可能な
環境を整え、情報漏えい対策の強化も実現

目的

行員に貸与する全スマートフォンにおいて、安全かつ手軽に撮影および録音が可能なアプリケーションを導入し、業務効率化を実現する

概要
  • 株式会社南都銀行(以下、南都銀行)は、業務における撮影、および録音シーンでのスマートフォンの活用を検討していた
  • デジタルカメラを貸与するスタイルには盗難・紛失に伴うデータ漏えいリスクがあり、データを行内共有するプロセスも煩雑であった
  • KAITOセキュアカメラとKAITOセキュアレコーダの導入でストレスフリーな撮影および録音が可能となり、データの迅速な行内共有も実現
課題
  • デジタルカメラの盗難・紛失に伴う情報漏えいリスクの低減
  • デジタルカメラで記録したデータの行内共有プロセスの煩雑さの解消
  • 担保物件等を安全かつ手軽に撮影したいというニーズへの対応
選定理由
  • 記録された画像、動画、音声データを即時に分割、圧縮、暗号化し、ただちにサーバへ転送する仕様であること
  • 転送完了後、端末内のファイルを自動的に削除することにより、情報漏えいリスクを低減できること
  • パフォーマンス、価格、使い勝手において求める要件をクリアしたこと
導入の効果
  • スマートフォンを使ってストレスフリーな撮影、および録音が可能となった
  • 情報漏えい対策を強化したことで、外交先でカメラ撮影による本人確認資料等の写し取得が可能となった
  • 撮影から行内共有までにおける行員の手間・作業時間が軽減された

撮影業務における情報漏えいリスクを低減したい

IT戦略部 藤村 雄基 氏

南都銀行は奈良県奈良市に本店を構え、奈良県、大阪府、兵庫県、京都府、和歌山県、三重県、東京都の7都府県を営業地域とする地方銀行だ。同行では2020年4月より10年間の経営計画「なんとミッションと10年後に目指すゴール」をスタート。「地域を発展させる」「活力創造人材を生み出す」「収益性を向上させる」の3つのミッションの遂行を通じて「活力創造No.1グループ」になることを目指している。

南都銀行はモバイルデバイスを活用した業務改革の一環として営業担当者や本部行員を対象にスマートフォンを貸与することを決めた。スマートフォンの活用によりさらなる業務効率化、サービス品質の向上、行内コミュニケーションの活性化を図ることが狙いだ。IT戦略部 藤村 雄基氏は、「ユーザ目線に立ったとき、ビジネスシーンに持ち込みたいツールの筆頭は機動性・即時性・利便性に優れるスマートフォンですが、当行としては私用端末の業務利用を認めておりません。今回のプロジェクト立ち上げの背景には、生産性向上に寄与するアプリケーションを搭載したオフィシャルな端末を行員に提供したいという思いがありました。その中で我々が検討したのが撮影、および録音シーンにおけるスマートフォンの活用です」と語る。

業務上撮影が必要だったのは主に担保物件調査時や、取引先の工場視察時だ。また、総務部に対して備品などの修理・修繕を依頼する際、故障箇所や口頭では伝えにくい事象を説明するために画像を用いるケースもあった。これまで行員は撮影にあたってデジタルカメラを使用していたが、そのスタイルには課題があったという。

1つが、デバイスの盗難・紛失に伴うデータ漏えいリスクを抱えていたこと。そしてもう1つが、データを行内共有するプロセスが煩雑で、行員のストレスとなっていたことである。データを行内環境に取り込む際にはデバイスのウイルスチェックを事前に実行しなければならない。結果に問題がなければUSBケーブルなどを介してデバイスから専用PCに対象データを転送し、所定の手順でファイルサーバに格納する流れだった。

藤村氏は、「渉外担当者に配布しているタブレット端末の専用カメラアプリを撮影に使用した時期もありました。記録されたデータを行内のファイルサーバに直接取り込める仕組みでしたが、低画質ゆえ現場からの改善要望が絶えなかったのです。スマートフォンの導入は新たな手立てを講じる上でも絶好の機会でした。会議の音声を録音し、それをもとに議事録を作成したいという要望もあり、端末内に音声データを残すことなく運用できるレコーダアプリも調査することにしたのです」と話す。


記録データを端末内に残さないことが重要

IT戦略部 中川 基 氏

南都銀行は、撮影および録音を手軽に行うことができ、情報漏えい対策も強化できるソリューションの調査を開始。通信キャリア(NTTドコモ)に申し出た結果、紹介されたのがJMASのKAITOセキュアカメラとKAITOセキュアレコーダだ。

スマートフォンに搭載するアプリケーションの選定基準として最も重視したのは、端末内に業務データを残すことなく運用できることだ。KAITOセキュアカメラで撮影したデータは即時に分割・圧縮・暗号化される。それゆえ不安定な通信環境下において、データ送信未完了の状態で端末の紛失・盗難にあっても第三者に情報を盗み見られる心配はない。そしてサーバへのデータ送信完了後、端末上のデータは自動削除される。また、ファイルサイズごとのアップロード時間なども計測した。あえて不安定な通信環境下で試してみた結果も許容範囲内だったという。

IT戦略部 中川 基氏は「KAITOシリーズは要件に合わせた柔軟なカスタマイズも可能で、シンプルな操作性とコストが我々の要望に沿っていたことが決定打となり、採用を決断しました。JMASとは以前から付き合いがあり、親近感を覚えていたのも事実です」と話す。

同行はJMASのサポートのもとKAITOセキュアカメラについていくつかの機能追加を実施。技術的な躓きに直面することもなく、当初のスケジュールどおりに開発を終えることができた。


行員がスマートフォンを介して
撮影、および録音を安全かつ
手軽に実施可能な環境に

南都銀行は2021年10月、行員にスマートフォン貸与のアナウンスを実施。KAITOをはじめとする各種アプリケーションの使用方法などを解説する文書も提供し、業務での使用イメージを周知した。その後、1,900台のスマートフォンを順次展開し、同年末には対象の行員の手元に行き渡った。

中川氏は、「KAITOセキュアカメラ・レコーダについては操作に関する照会がほとんどなく、トラブルの報告も一切ありません。データ転送量の推移を見るとわれわれの想定を大きく上回るスピードで一気に定着したようです」と語る。

KAITOセキュアカメラ・レコーダで記録されたデータにはユーザ固有の識別番号が付与され、クラウドサーバへ転送される。その後、PCからブラウザでWEBシステムにログインし、自ら記録したデータだけを閲覧、再生できる仕組みだ。行内環境への取り込みにあたっては従来と同様、上長の承認を得た後にデータをダウンロードし、ファイルサーバに収める必要がある。ただ、事前にデバイスのウイルスチェックを実行し、USBケーブルを介してデータ転送を行わなければならない非効率な作業はなくなった。情報共有のスピードアップを実現するとともに、情報漏えい対策を強化できたのは成果だ。

誰もが、いつでも、手軽かつ安全に撮影できるようになったメリットは大きい。安全性の高さを活かし、いまでは外交先での本人確認資料等の写し取得にもKAITOセキュアカメラが活用されている。一方、KAITOセキュアレコーダは会議後の正確な議事録の作成と関係者間の情報共有のために用いられているようだ。

南都銀行はKAITOシリーズの活用をさらに深めていく。現在は、お客さまの同意に基づいた商談時のKAITOセキュアカメラ・レコーダによる録画・録音の活用についても検討を進めている。藤村氏は、「商談時の音声データや画像・動画データは、金融商品販売のシーンで契約者に重要事項説明を適正に行った証跡にもなります。今後もJMASのサポートのもと、シンプルさと使いやすさをさらに追求した機能改善を図って参りたいと考えています」と話した。


会社プロフィール

社名
株式会社南都銀行
本社
奈良県奈良市橋本町16番地
URL
https://www.nantobank.co.jp/

南都銀行は奈良県奈良市に本店を構え、奈良県、大阪府、兵庫県、京都府、和歌山県、三重県、東京都の7都府県を営業地域とする地方銀行だ。同行では2020年4月より10年間の経営計画「なんとミッションと10年後に目指すゴール」をスタート。「地域を発展させる」「活力創造人材を生み出す」「収益性を向上させる」の3つのミッションの遂行を通じて「活力創造No.1グループ」になることを目指している。