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2021年01月06日

AIチャットボットがDXを加速する

製薬業でビジネス貢献するチャットボットの構築ポイント

こんにちは、JMASの金子です。

JMASはお客様のデジタルトランスフォーメーション(DX)を、クラウドの最新技術を利用してサポートしています。従来のSIとは異なり、専門コンサルタントが企画段階から参画し、ビジネスに必要なシステムをお客様と一緒に作り上げるなかで、特に参考になりそうな事柄を当コラムで紹介していきます。

近年、機械学習や人工知能(AI)といったテクノロジーが発展したことによって、チャットボットの性能が向上し、あらゆる産業でデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速する状況の中、ビジネスでのチャットボットの利用が注目されています。AIチャットボットは問合せ対応を自動化する接客ツールとして、ECサイトや顧客対応、社内FAQ等で広く使われていますが、実はそれ以外にも様々な業務のデジタル化に活用できるのです。

製薬業でビジネス貢献するチャットボット、その構築ポイントとは

弊社がチャットボットを構築した実績のなかでも、正確な回答が求められ、法規制も厳しい医薬品の情報提供を実現した事例です。製薬業のお客様と一緒にチャットボットを構築し、リリース後もご担当の方とお話をさせていただく中で、チャットボットそのものや、蓄積したデータの活用で得られた気付きをご紹介いたします。

医薬品の情報提供はチャットボットで可能?

医薬品の情報提供は、シビアな情報提供が求められる、誤った情報は提供できない、ガイドラインに準拠しなければならないなど、よくあるおススメを紹介するようなシーンとは全く異なります。
チャットボットを使って本当に可能なのでしょうか?

困った

以下の観点からお伝えしていきます。

<<Index>>
■精度向上のポイント
1)Q&A自然言語処理エンジンの活用
2)QnA Makerの強化
3)始めに製品を選択
4)ユーザが質問を選択
■データ活用
1)MRへの情報提供
2)有害事象報告への対応
■テンプレートベースによる効率化で、2.5ヶ月でスピード開発

精度向上のポイント

市場には多数のチャットボット製作サービスがありますが、今回のチャットボットでは Microsoft Azure の Cognitive Services であるQnA Makerを採用して開発を行いました。
さらにAzureサービスをうまく活用することに加え、会話のフローを工夫することで精度向上を実現しました。チャットボットのエンジン、自然言語解析の精度を上げていくのは難しいですが、実際利用されるユーザとボットとの会話のやりとりを工夫することで精度を向上させることができました。

1)Q&A自然言語処理エンジンの活用
チャットボットには大きく、「機械学習型」と「ルール型」に分けられ、その特徴は以下となります。
機械学習型:大量の対話データから機械が自動で学び、汎用的な会話に対応可能だが、予期せぬ返答をすることもあり、提供した情報に責任を負えない
ルール型:事前登録したルールに従い回答を行う、ルール以外の発話をしないが、人の力がものすごく必要となる
それぞれにメリット、デメリットがありますが、製薬業様の特性を考え、両者のいいとこどりのハイブリット型で開発しました。
QnA Makerは、登録したQ&Aに対し自然な会話レイヤーを作成できるサービスです。

チャットボットサービス:
自社Webサイト、Microsoft Teams、LINEなど、さまざまなインターフェースを利用可能

ボットプラットフォーム:
チャットサービスのインターフェースに合わせた様々なプラットフォームが展開されている

QnA Maker:
自然言語解析および解析した結果を回答する部分で、それぞれのレイヤーを疎結合で提供できる仕組みになっている。Webに掲載しているFAQ、コールセンターで運用しているQA一覧など、既存のWebページやテキストを指定するだけで質問と回答を作ることも可能。

自然言語解析はエンジンに任せて、会話を工夫する部分を自由自在に実装できる仕組みで構築しました。

QnA Maker

次ページ:2)QnA Makerの強化

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