- 株式会社ジョイックスコーポレーション
AWS上での運用共通基盤の構築と
システム移行をJMASとの協働体制で実現。
老朽化したシステムの刷新と
IT施策の内製化を推進することが狙い。
目的
データドリブン経営への転換にあたってAWS上に運用共通基盤を構築し、そこにオンプレミスで運用してきた業務システムを徐々に移行していきたい
- 概要
- 株式会社ジョイックスコーポレーション(以下、ジョイックスコーポレーション)は、データドリブン経営への転換を図るための前段として現行のIT環境の整備が必要と考えていた
- IT環境の老朽化とシステムベンダーへの過度な依存が、必要なIT施策の展開を阻害する要因になっていた
- オンプレミスで運用してきた業務システムをAmazon Web Services(以下、AWS)へ移行するパートナーとしてJMASを指名した
- AWSの活用に最適な運用共通基盤を稼働できた
- 課題
- AWS移行計画の策定から設計、構築、テスト、評価までの一連のAWS移行作業を確実かつ安全に行うための知見やリソースが不足していた
- 選定理由
- AWSのプロジェクト実績やコスト、技術力を評価
- AWS移行作業に協働体制で臨むことが可能
- プロジェクト全体の管理と進行をうまくリードできる体制
- 効果
- AWS上での運用共通基盤の構築とシステム移行を実現できた
- 現行IT環境の調査・分析の結果や、設計書、手順書などの各種ドキュメントを作成できた
- AWSに関連する基礎的な技術やノウハウを自社内に蓄積できた
オンプレミスの業務システムをAWSに移行したい
ジョイックスコーポレーションは8つの欧米ブランドを手掛けるメンズアパレルのリーディングカンパニーだ。「着るよろこび、それ以上を」という企業理念のもと、実店舗運営だけでなく、EC事業やデジタルマーケティングにも注力し、日々顧客に満足してもらえるモノづくりを追求している。
アパレル・繊維業界で広くビジネスに携わってきた、執行役員 コーポレート戦略部門 部門長 (兼)IT企画部 部長 (兼)物流部 部長 武内 恒久氏は、「われわれはさらなる事業拡大のために、データ分析を経営の意思決定の材料・根拠にするデータドリブン経営への転換を図ろうとしています。その一環で基幹システムのリプレースおよび業務改革を実施するプロジェクトを発足しました。オンプレミスで運用するITインフラの整備はその前段として不可欠でした」と語る。
実際、現行のIT環境は開発からすでに20年ほど経過した基幹システムやEOSLを迎えたサーバ群を中心に構成され、事業継続を脅かすさまざまなリスクにさらされていた。開発委託先へ過度に依存した形で機能拡張や仕様変更が繰り返されてきた結果、自発的に考える事が難しくなり、一部のIT環境の老朽化も進行。開発委託先による提案内容の有効性や見積もりの妥当性を検証できない状況にも陥っていた。
IT企画部 部長代行 IT戦略室 室長 加藤 知彦氏は、「われわれは基幹システムの刷新に向けたステップの1つとしてAWS上に運用共通基盤を構築し、そこにオンプレミスで運用してきた業務システムを移行する方針を固めたのです」と話す。
AWSの開発実績豊富なJMASをパートナーに
ジョイックスコーポレーションにはAWS移行計画の策定から設計、構築、テスト、評価までの一連のAWS移行作業を確実に行うための知見やリソースが不足していたため、外部に助力を仰ぐことにした。
まずは人材派遣会社をあたったが、能力と報酬の面で折り合いがつくIT人材と巡り合うことはなかった。その後、AWSのパートナープログラムを通して知ったのがJMASである。JMASを含む2社でコンペを行い、オンプレミスからAWSへの移行実績、コスト、技術力、サポート体制などを評価した結果、JMASが適任という判断に至ったという。同社が必要としていたのはプロジェクト全体を強力に牽引してくれるパートナーである。
加藤氏は、「今回のプロジェクトはオンプレミスからAWSへの単純なシステム移行という位置づけではありません。AWS移行計画の策定から設計、構築、テスト、評価までの一連のAWS移行作業に協働体制で臨めることが重要でした。システムベンダーへの過度な依存体制を脱却し、AWSに関連する基礎的な技術やノウハウを自社内に蓄積することが狙いの1つです。これにより、将来起こりうるAWS案件において外注と内製を適材適所に使い分けられるスタイルを目指しました」と語る。
JMASとの協働プロジェクトは2つのフェーズで進んだ。第1フェーズは移行対象サーバの選定、現行環境の調査、移行方式の決定、移行計画の作成である。まず移行対象サーバの選定については、業務課題やビジネスへの影響度、メーカー推奨動作環境などの根拠にもとづいて実施。JMASとともに現行環境と業務特性を正確につかむことで、移行方式や移行計画の策定もスピーディに進めることができた。
第2フェーズでは、AWS上での運用共通基盤の構築、システム移行、およびドキュメントの作成などを実施した。加藤氏は、「JMASはわれわれのコスト圧縮の要望をしっかりと聞き入れ、移行対象やドキュメントのボリュームだけでなく、互いの作業範囲も柔軟に調整してくれました。変則的な対応を求めてしまいましたが、プロジェクト全体の管理と進行をうまく取り仕切ってくれたため、トラブルなく移行をやり遂げることができました。JMASのコンサルタントやエンジニアとともにAWS案件にコミットした経験はこれからきっと生きてくるはずです」と話す。
あらゆる要件を満たす運用共通基盤を構築
ジョイックスコーポレーションは2023年10月、AWS上の運用共通基盤を本稼働させた。その後トラブルは一切なく、安定稼働を続けている。運用共通基盤は各種AWSマネージドサービスの組み合わせにより、可用性、運用管理性、セキュリティ、パフォーマンスなどのあらゆる要件を満たす仕様になっている。今後移行すべきサーバが受け入れられやすい設計になっていることもポイントだ。
加藤氏は、「JMASは現行環境の調査・分析の結果や、設計書、手順書などの各種ドキュメントをわれわれが望むとおりに作成・提供してくれました。必要なドキュメントを資産として残し、われわれ自身がAWS移行作業における一連のプロセスを再現したり、なぞらえたりできるようにしてくれた成果は大きいと感じています」と話す。
今回のプロジェクトを通してIT環境のブラックボックスを解き明かし、正確な仕様や設計をドキュメントに落とし込むこともできた。これから開発効率の向上や運用・保守コストの削減などの効果が見えてくるはずだ。
加藤氏は、「AWS案件を含むIT施策の内製化を進めるためのスタートラインにようやく立つことができました。システムベンダー様には本来必要な開発業務に専念いただけるよう、目的によって内製と外注を使い分けられるようになったことは大きな利点です。加えて、今後はAWS主催の研修などに参加しながら実務的な経験を重ねていきます。もちろん、クラウド技術の進化やわれわれの使い方の変化に合わせてAWS上の運用共通基盤を最適化していくためのJMASの助言や継続的なサポートにも期待しています」と話した。
会社プロフィール
- 社名
- 株式会社ジョイックスコーポレーション
- 本社
- 東京都千代田区隼町3-16
- URL
- https://www.joix-corp.com/
ジョイックスコーポレーションは8つの欧米ブランドを手掛けるメンズアパレルのリーディングカンパニーだ。「着るよろこび、それ以上を」という企業理念のもと、実店舗運営だけでなく、EC事業やデジタルマーケティングにも注力し、日々顧客に満足してもらえるモノづくりを追求している。