- 株式会社ギフトパッド
AWS上にクラウドネイティブな
データ分析基盤を構築し、
業務に必要なデータをQuickSightで
瞬時に抽出・利用できる環境に
~営業活動や資料作成などの効率化を実現し、マーケティング施策の最適化も目指す~
目的
AWS上にクラウドネイティブなデータ分析基盤を構築し、営業担当者や仕入れ担当者などが業務に必要なデータを瞬時に抽出・利用できる環境を整える
- 概要
- 株式会社ギフトパッド(以下、ギフトパッド)は、オンラインカタログギフトサービスを通じて得られるさまざまなデータをAmazon Web Services(以下、AWS )上に蓄積していたが、社内のデータ活用や情報共有の改善を望んでいた
- 社内のデータ活用・分析をめぐるAWS環境の根本的な改修が必要と考え、データ分析基盤の構築プロジェクトを立ち上げた
- 提案力や技術力、サポート体制などを評価し、プロジェクトパートナーにJMASを指名した
- 営業担当者や仕入れ担当者は、Amazon QuickSight(以下、QuickSight)を利用して業務に必要なデータを瞬時に取り出し、顧客への提案活動や資料作成などに役立てている
- JMASのサポートを得ながらマーケティング用の各種データも分析対象に加えていく
- 課題
- 従来のAWS環境ではデータ活用・分析の下準備となるデータの抽出・加工に相当の時間を要し、社内の情報共有にも課題があった
- 選定理由
- AWSのコンサルティングパートナーとしての実績
- 豊富な実績に裏打ちされた提案力と技術力
- 伴走型支援が可能なサポート体制
- 効果
- 拡張性、可用性、保守性に優れたクラウドネイティブなデータ分析基盤を構築できた
- 業務に必要な情報をすぐに取り出して活用できるようになった
- データ活用・分析への社内意欲が高まり、AWS内製化に向けて弾みがついた
データ活用・分析で競争力を強化したい
ギフトパッドは独自のオンラインカタログギフトサービスを展開する企業だ。「Giftpad ticket」は、Web上でカタログギフトを作成し、メールやSNSのDMなどで対象者にギフトURLを送信するだけでギフトを贈ることができるサービス。販売促進のノベルティや冠婚葬祭、福利厚生など、法人におけるさまざまなギフトシーンで活用されている。結婚式の引き出物やお中元、お歳暮、母の日・父の日、誕生日などに手軽にギフトを贈れる個人向けサービス「Giftpad egift」も好評だ。
同社は社内のデータ活用・分析をめぐるAWS環境の根本的な改修が必要と考えていた。顧客の属性データや商品データ、注文履歴データ※など、オンラインカタログギフトサービスを通じて得られるさまざまなデータをAWS上に蓄積していたが、営業担当者や仕入れ担当者が自由にデータ活用・分析を行うのは難しい状況だったためだ。実際、データ活用・分析を行うためには、SQL文を用いて複数のデータベースからデータを抽出・加工。それらをExcelに落とし込み、手作業で集計・分析を行う必要があったのだ。
※個人情報、機微情報等はマスク処理などを行っている
取締役 システム本部 本部長 田原 啓介氏は、「データ活用・分析の下準備となるデータの抽出・加工に相当の時間を要し、社内の情報共有がうまく進まないことにもどかしさを感じていました。たとえば、弊社のサービスがどのような顧客に利用され、カタログからどんな商品が選ばれたかなどといった情報は各営業担当者や仕入れ担当者の頭の中だけで管理され、事実上ブラックボックスだったのです」と語る。
このような環境では、組織全体として顧客ごとに最適化されたコミュニケーションやマーケティング施策を展開したり、効率的に新規顧客を開拓したりすることが困難である。そこで同社はデータ活用・分析を長期的な競争力の源泉とする体制を目指し、データ分析基盤を構築する方針を固めたのだ。
最適なデータ分析基盤の構築を
JMASが強力にリード
ギフトパッドは2023年9月、AWS上にデータ分析基盤を構築するプロジェクトを発足。要件定義から設計、構築、テスト、評価・改善までのプロセスを安全かつ確実に遂行するための知見と技術力、リソースを外部から確保する必要があり、ベンダー選定に着手した。そこで利用したのがAWSのパートナープログラムである。AWSの担当者からシステムインテグレータを3社紹介してもらい、各社について提案力や技術力、サポート体制などの項目を比較・検討した結果、JMASを選定した。
田原氏は、「JMASの担当者はデータ分析基盤におけるベストプラクティスな構成にも踏み込んだプランを示してくれました。疑問点や不明点をすぐに解消し、不安要素を一切残さないコミュニケーションを心がけてくれたことも好印象でした」と話す。
その後、JMASのエンジニアとともに業務やデータ分析要件に合ったシステム設計を実施した。その内容にもとづいて構造化データと非構造化データを一元管理するデータレイクを構築し、分析用にクレンジング・一次加工したデータをDWHに統合。Amazon S3やAWS Glue、Amazon Athena、Amazon Redshift、QuickSightなどの各種マネージドサービスを組み合わせ、複数のデータソースにアクセスできるデータ分析基盤を構築した。
田原氏は、「われわれの業務への深い理解がなければ、膨大なデータから価値あるインサイトを引き出すデータ分析基盤を作り上げることはできません。ギフトECは一般的なECとはビジネスモデルが異なるため、分析に適したデータ構造を定義するプロセスに手間取ってしまうのではないかという懸念もありましたが、そんな心配は無用でした。JMASのエンジニアは業務要件をすばやくつかみ、データの内容や構造、関連性を明らかにした上で最適なデータモデリングを実施してくれました」と語る。
JMASとともにデータ分析基盤の
さらなる高度化を目指す
ギフトパッドは2023年12月、クラウドネイティブなデータ分析基盤をリリースした。データ収集やメタデータ管理、データガバナンス、スケーラビリティ、セキュリティなどの各要素は最適なアーキテクチャで構成され、リリースから10カ月経ったいまも安定稼働を続けている。現在は、主に営業担当者がオンラインカタログギフトサービスを通じて得られる各種データをQuickSightで集計・分析している状況だ。
田原氏は、「たとえば、法人営業においてある既存顧客と類似性の高い見込み顧客にアプローチをかける際、事前に既存顧客のギフトの受け手がどんなジャンルの商品を交換しやすいかを傾向としてつかみ、提案活動に役立てています。感覚に頼らず、だれもが客観的なデータという根拠にもとづいて主体的に動けるようになったのは大きな成果です」と語る。
商品の仕入れ担当者にとってもQuickSightで各種データを瞬時に取り出せるようになったメリットは大きい。これにより、レポートに用いられる資料の作成業務を省力化することが可能になった。
田原氏は、「たとえば、商品の未交換率や交換商品ランキング、受け手の都道府県割合、受け手の年齢割合などをまとめた資料をもとに、商品の仕入れや新規買い付けルート開拓などの意思決定を行なっていきたいと考えていました。ただ、これまでは複数のデータソースから資料作成に必要な情報を集めるだけで半日かかり、それからExcelで集計作業を行う必要がありました。いまでは必要な情報がすべてデータ分析基盤に統合され、QuickSightで集計レポートを表示・出力するだけで資料がそろうので本当に助かります。」と話す。
データ活用・分析への社内意欲も高まっている。実際、経営企画やマーケティング担当の中にはQuickSightを扱うスキルを独自に習得し、新たな切り口でデータを見ているメンバーもいるという。
ギフトパッドは今後、分析対象データを拡大していく。PV数やユーザー数とセッション、購入者数と単価、CV率、会員数、リピート率、デバイス比率などの各種データもデータ分析基盤に統合し、分析結果をマーケティング施策に活かしたい考えだ。たとえば、ギフトサイトを訪れた顧客が商品を認知してから購入までに至る行動パターンを分析し、最適な商品ページの設計に役立てる。また、各種データの月間・前年比較を見ながら効果的なプロモーション施策も見極めていく。
田原氏は、「データ活用・分析で競争力を強化していく取り組みは始まったばかりであり、データ分析基盤のさらなる高度化にあたってはJMASの支援が不可欠です。AWS内製化の推進と、AWS上での新規サービスのインフラ設計・構築においても協力を求めていきます」と話した。
会社プロフィール
- 社名
- 株式会社ギフトパッド
- 本社
- 大阪府大阪市西区南堀江3-9-13
- URL
- https://giftpad.co.jp/
ギフトパッドは独自のオンラインカタログギフトサービスを展開する企業だ。「Giftpad ticket」は、Web上でカタログギフトを作成し、メールやSNSのDMなどで対象者にギフトURLを送信するだけでギフトを贈ることができるサービス。販売促進のノベルティや冠婚葬祭、福利厚生など、法人におけるさまざまなギフトシーンで活用されている。結婚式の引き出物やお中元、お歳暮、母の日・父の日、誕生日などに手軽にギフトを贈れる個人向けサービス「Giftpad egift」も好評だ。