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- 株式会社かんぽ生命保険
AWSを熟知するJMASと
「ダッシュボード共創ワークショップ」を実施
QuickSightのハンズオントレーニングを通じて
データ民主化に向けた人材育成と
社内文化の醸成を促す

目的
データ分析によって得られた客観的な事実をもとに、さまざまな意思決定を行うデータドリブン経営とデータ民主化を実現したい
- 概要
- 株式会社かんぽ生命保険(以下、かんぽ生命保険)は、全社員がAWS上の統一されたデータを Amazon QuickSight (以下、QuickSight)で可視化し、さまざまな意思決定に役立てられる環境を整えたかった
- QuickSightを扱えるスキルとデータドリブン思考を習得し、全社的なデータ分析力の底上げとデータ活用人材の育成を図る必要があった
- AWSから紹介されたJMASのサポートを得て営業部門を対象とした「ダッシュボード共創ワークショップ」を実施した
- 課題
- データ活用の重要性・実践的な思考法への理解を促すために、社内でQuickSightワークショップを企画・設計・運営する知見が必要だった
- 選定理由
- QuickSight研修とAWS主催のワークショップでの実績
- ニーズに合わせた柔軟なカリキュラム設計が可能
- ワークショップを内製化するために必要な知見を共有
- 効果
- ワークショップ参加者がQuickSightを活用したダッシュボードの要件定義・設計・構築を独力で実行できるようになった
- QuickSightワークショップを効果的に開催・運営するための体制や手順が確立された
- データ活用人材の育成が進んでいる
データ分析に必要なスキルと
マインドセットを習得・定着させたい

かんぽ生命保険は日本郵政公社の民営・分社化により2007年10月に誕生した日本郵政グループの生命保険会社だ。82カ所の直営店(支店)、および全国の郵便局ネットワークを通じて各種生命保険商品を提供している。主な特徴の1つは、養老保険・終身保険などの基本契約に医療特約を付加した販売スタイルだ。近年は顧客の多様な保障ニーズにこたえられる商品ラインアップの拡充に取り組み、貯蓄性と保障性のバランスのとれた商品ポートフォリオを構築している。
かんぽ生命保険ではクラウドやAI、データ分析などの先端技術を活用して顧客体験価値の向上と業務効率化を目指すDX戦略を推進している。その中核的役割を担っているのがDX戦略部だ。
DX戦略部 課長 庭本 康治氏は、「データ分析によって得られた客観的な事実をもとに、さまざまな意思決定を行う企業への転換を図るためには、各部門が独自のBIツールとデータソースを使用している状況を見直す必要がありました。そこでわれわれは2024年9月、AWS上に全社共通のデータ基盤を構築しました。全社BIツールとしてQuickSightを活用することで標準化されたレポートやダッシュボードによるデータの可視化を行い、各部門特有の分析ニーズに対しては個別のBIツールで統一されたデータソースを参照するスタイルを確立したいと考えたのです」と語る。
ただ、社員が必要なデータを取得・分析して日々の業務に生かすサイクルを自律的に回していくためには、QuickSightを扱えるスキルはもちろん、データドリブン思考の習得が不可欠である。そこで、QuickSightを用いたデータ活用の重要性と実践的な思考法への理解を促すワークショップを企画・設計・運営できる外部の委託先を探すことにしたのだ。
ダッシュボードの要件定義・設計から
構築・共有プロセスをJMASと追求
委託先の選定においては、AWSの包括的な知識や技術力、実績だけでなく、サポート体制や企業文化との相性などを見極めなければならない。しかし、ネット上ではそれらの要素を明確に示す情報を探し当てることができなかった。そこで利用したのがAWSのパートナープログラムだ。すると、「AWSデータと分析コンピテンシー」と「QuickSightのSDP認定」を有するJMASを紹介された。
DX戦略部 課長代理 日野 佑輝人氏は、「実はJMASとの付き合いの始まりはQuickSight研修です。AWS上のデータ基盤のリリースに合わせてJMASの講師を招き、初心者を対象に実施したものです。その半年後に開かれたAWS主催のワークショップでもJMASは補佐役として参画しており、献身的な姿勢を見せていました。AWSが真っ先に挙げた候補先がJMASだったのは納得でしたね」と話す。
JMASからの提案は同社の要望にかなうものだった。ポイントの1つは、初級研修受講済みという前提を踏まえて基本メニューの一部を省略したり、演習と解説といった実践的な内容の比重を高めたりするなど、柔軟なカリキュラム設計に対応できることだ。また、同社の事務局がワークショップの企画・設計・運営においてより広範な領域に踏み込んで関与できることも重要な要件だった。QuickSightを活用した演習などの知見を自社内に蓄積することで初心者向けの研修や特定のテーマに沿ったワークショップを内部で開催できる体制を整え、社員にスキルアップやデータリテラシー向上の機会を迅速に提供できるようにするためである。
DX戦略部 新矢 樹里氏は、「JMASはAWS主催のワークショップのフォーマットを踏襲しつつ、将来の内製化に向けた知見の共有も含めた支援を承諾してくれました。ワークショップの企画・設計・運営に役立つ各種ドキュメントや映像の記録を受け入れ、フォローアップ会や技術的なQ&A対応もプログラムに組み込んでくれたことが心強かったですね」と語る。
かんぽ生命保険とJMASがQuickSight研修を受講済みの営業部門の8人を対象に約1カ月にわたって行ったのが「ダッシュボード共創ワークショップ」だ。具体的には参加者を2チームに分け、座学とグループワークを通じてデータ分析・可視化のためのマインドセットを構築。その後、ダッシュボードの要件定義・設計に取り組み、任意のデータセットを利用したグラフなどのビジュアル作成、ダッシュボードの構築と共有までの一連の操作をハンズオン形式で行った。最後に各チームの活動成果を上層部に発表し、レビューを受けるという流れだ。
一般に、ダッシュボードの構築にあたっては利用者の特定と分析ニーズ、目的の設定、KPI・指標の洗い出し、データソースと可視化方法の検討をおろそかにできない。それらが不十分だと、せっかく作っても結局使われないものになってしまいがちだ。そのため、ワークショップではダッシュボードの要件定義から、QuickSightが提供するさまざまな表示機能、計算フィールド、フィルター機能を駆使して要件に合った表やグラフを作成するまでのプロセスに焦点を当てたカリキュラムが実行された。
日野氏は、「JMASのファシリテーション能力は見事です。目的の共有や参加者が議論しやすい雰囲気づくり、意見の深掘り、合意形成への誘導といったスキルが巧みで、参加者全員が活発に議論して成果を生み出すワークショップを実現してくれました」と話す。

DX戦略部 新矢 樹里 氏
組織的なデータ活用人材の育成が加速
成果はすでに現れている。営業部門の参加者についてはビジネスの目標や業務課題を設定し、それにもとづいたダッシュボードの要件定義・設計・構築を独力で行うことが可能に。QuickSight画面上のクロス表や棒グラフ、線グラフ、円グラフなどのチャートを見ながら営業戦略の立案や業務改善を行うプロセスが定着した。ワークショップのディスカッションを通して創出されたアイデアも生かされている。たとえば、外部データベースから取得した昼夜人口データをダッシュボードに統合し、より多角的な視点での可視化を実現した。ダッシュボードの構築によってそれまで週次で行われてきたデータの取得からExcelによる集計、PowerPointへの貼り付け・加工という一連の作業が不要になったのも成果の1つだ。
データ活用人材の育成も進んでいる。経営層やDX戦略部がデータ活用の重要性を繰り返し発信し、データドリブンな意思決定が基本方針であることを明示。すでにいくつかの部署がJMAS協力のもとにDX戦略部が内製化したQuickSightの初級研修を受講済みだ。QuickSightの操作方法やデータ分析の思考法などを体得した社員の中には、ダッシュボードを構築して現状把握や意思決定に役立てているものもいるという。
庭本氏は、「今回のワークショップを経て、データドリブン経営とデータ民主化を標榜する企業としての土台がようやく整ってきたという実感があります。今後さらに全社的な分析力の底上げとデータ活用文化の醸成を図っていくためにはJMASの要所での支援が不可欠です。AWSにおけるクラウド・AI技術の進化に追従するために必要な情報提供や効果的なユースケースの創出と共有、各業務領域に適した技術支援という側面でもJMASのサポートに期待しています」と話した。

会社プロフィール

- 社名
- 株式会社かんぽ生命保険
- 本社
- 東京都千代田区大手町二丁目3番1号
- URL
- https://www.jp-life.japanpost.jp/
かんぽ生命保険は日本郵政公社の民営・分社化により2007年10月に誕生した日本郵政グループの生命保険会社だ。82カ所の直営店(支店)、および全国の郵便局ネットワークを通じて各種生命保険商品を提供している。主な特徴の1つは、養老保険・終身保険などの基本契約に医療特約を付加した販売スタイルだ。近年は顧客の多様な保障ニーズにこたえられる商品ラインアップの拡充に取り組み、貯蓄性と保障性のバランスのとれた商品ポートフォリオを構築している。

























