株式会社みずほ銀行

iPadの全行活用による
業務プロセス改革をJMASと推進

目的

全行員に配布するiPad上にペーパーレス会議システムとタブレットポータルをリリースし、モバイルデバイスを活用した業務プロセス改革を推進したい

課題
  • iPadを全行員に使ってもらうためには、全行的に利用できるアプリを展開する必要があった
  • 会議資料を準備する担当行員は、資料の印刷や綴じ込みなどの面倒な作業に追われていた
  • 出先などでの空いた時間にiPadから必要な行内情報を閲覧できる環境を整備したかった
選定理由
  • iPad向けの各種ソリューションを提供するJMASへの信頼
  • iPadアプリ開発支援の実績が豊富
  • モックアップアプリをもとに要件を洗いだし、短期間で開発を終えられる体制
導入の効果
  • 安定稼働を続ける高品質なアプリを展開できた
  • 担当行員による会議の準備負担が大幅に軽減し、会議に使用する紙やインクを大幅に削減できた
  • iPadから必要な行内情報を即時に得ながら効率的に業務を遂行できるようになった
  • モバイルデバイスを活用した業務プロセス改革を大きく前進させることができた

iPadの全行展開で業務効率化を狙う

株式会社みずほ銀行 IT・システム統括第一部 戦略情報基盤システム推進チーム 調査役 上原 直史氏

みずほフィナンシャルグループの一員である株式会社みずほ銀行(以下、みずほ銀行)は、国内最大級の顧客基盤や国内外の拠点ネットワークを有するリーディングバンクだ。同行は、2016年を開始年度とする3年間の中期経営計画「進化する“One MIZUHO”~総合金融コンサルティンググループを目指して~」のもと、「お客さま第一」と「オペレーショナルエクセレンス」の追求を進め、顧客の多様な金融ニーズに的確かつ迅速にこたえるOnly Oneのパートナーになることを目指している。

同行では、モバイルデバイスを活用した業務プロセス改革を推進する。2013年には約4,500台のiPadを導入し、各営業店の窓口担当者や渉外担当者に配布。営業店窓口での顧客への商品説明や出先での情報閲覧用の端末として活用してもらうことで、業務効率を高めてきた。

一定の成果を受け、2015年には約23,000台のiPadを追加導入することを決めた。役員を含む全行員にiPadを活用してもらうことで業務のさらなる効率化を図りたいと考えたためだ。ただし、iPadを全行的に使ってもらうためには、新たなコンテンツを用意する必要があると判断。その1つとして選択されたのは、役員が出席する会議で限定的に利用してきたペーパーレス会議システムだった。

みずほ銀行 IT・システム統括第一部 戦略情報基盤システム推進チーム 調査役 津田 宜秀氏は、「会議資料を準備する担当行員は、参加者全員分の資料の印刷や綴じ込みなどの面倒な作業に追われてきました。iPad上で会議資料を表示・閲覧しながら議論できる環境があれば、会議の準備に割く時間を短縮し、ペーパーレスも推進できます。行員を面倒な会議の準備作業から解放し、参加者側のペーパーハンドリング負担を軽減したいという思いが出発点でした」と語る。

また、同行ではこれまでグループウェアの掲示板を使って行内の通達やレポートなどの必要な情報を共有してきた。IT・システム統括第一部 戦略情報基盤システム推進チーム 調査役 上原 直史氏は、「当行では柔軟なワークスタイルの実現を視野に、セキュリティを確保した上でiPadの行外への持ち出しを許可する方針を固めていました。これまでグループウェアで共有してきた行内情報を、出先などでの空いた時間にiPadから安全に閲覧できるタブレットポータルを構築すれば、情報共有が加速し、さらなる業務効率化を実現できると考えたのです」と話す。


iPadアプリ開発の実績重視でJMASを選定

みずほ情報総研株式会社 グループIT第4部 2チーム1課 システムコンサルタント 森 誠博氏

みずほ銀行は、2014年秋にペーパーレス会議システム刷新とタブレットポータル構築の2つのプロジェクトを発足した。

みずほフィナンシャルグループのIT戦略を担うみずほ情報総研株式会社(以下、みずほ情報総研)がシステムインテグレータの選定で重視したのは、iPadアプリ開発の実績だ。 この点でiPad向けの各種ソリューションを提供するJMASは、提案内容を裏付ける技術的根拠も有する。

要件変更などに柔軟にこたえながら、当時、1年を切っていたリリース期限内に開発を終えられる体制を組めることも評価し、JMASに協力を依頼した。

みずほ情報総研 グループIT第4部 2チーム1課 システムコンサルタント 森 誠博氏は、 「要件検討時には、JMASが作ってくれたモックアップアプリをベースにユーザ部門と議論を重ね、使いやすいユーザーインターフェースを追求できたのが印象的です。 画面遷移のイメージや使用感を確認しながら仕様を固め、スピード感を持って開発を進めることができました」と語る。


会議の準備負担を軽減し、ペーパーレスも推進

株式会社みずほ銀行 IT・システム統括第一部 戦略情報基盤システム推進チーム 調査役 津田 宜秀氏

みずほ銀行は、2016年4月、ペーパーレス会議システムとタブレットポータルをリリースした。その後も継続的な機能追加を行っており、新機能について操作方法を指導したり、業務での使用イメージを伝えたりすることで定着化を図ってきた。

たとえば、ペーパーレス会議システムは、発言者による資料のページ操作や拡大・縮小、マーカー・ポインタ操作が会議参加者のiPad上で同期され、会議を円滑に進行できるのが特長だ。紙と同様、画面上の会議資料にメモをとったり、マーカーで書き込んだりすることもできる。

森氏は、「高い安定性が求められる勘定系システムと異なり、ベストエフォートの思想のもとで開発しています。とはいえ、いざリリースすると、4,000人以上の行員が同時にアクセスしている状況が頻繁に見られ、社内インフラとして完全に定着しています。安定稼働を続ける高品質なiPadアプリを開発していただいたJMASに感謝しています」と話す。

成果も見えてきた。いまではPDF形式の資料をサーバにアップロードするだけで会議の準備が完了するため、担当行員による負担は大きく軽減。会議に使用する紙やインクを大幅に削減することにも成功した。

常に最新の行内情報を提供するタブレットポータルの評価も高く、iPadの主要コンテンツとして定着しているという。上原氏は、「タブレットポータルでは、動画を配信できるのも特長です。たとえば、ユーザは在宅時や移動中にiPadで学習用動画を視聴して商品への理解を深めており、顧客応対スキルの底上げに役立っています」と語る。

今回のプロジェクトを経て、みずほ銀行のモバイルデバイスを活用した業務プロセス改革は大きな前進を遂げた。今後は、数千人が参加する会議での実用にも耐えられるようペーパーレス会議システムのパフォーマンスを増強する。タブレットポータルについても、すべての行内情報を部署や役職、同期などのカテゴリごとにグルーピングして一覧表示する機能を強化する計画だ。

津田氏は、「JMASは、ミッションクリティカルな金融システムからユーザビリティを重視したモバイルアプリに至るまでの開発・運用を安心して任せられる希有な存在です。その両面で豊富な実績やノウハウを有するJMASの手厚いサポートを得ながら、モバイルデバイスを活用した業務プロセス改革をさらに推し進めていきます」と話している。


会社プロフィール

社名
株式会社みずほ銀行
本社
東京都千代田区大手町1–5–5
URL
https://www.mizuhobank.co.jp/

みずほフィナンシャルグループの一員であるみずほ銀行は、国内最大級の顧客基盤や国内外の拠点ネットワークを有するリーディングバンクだ。同行は、2016年を開始年度とする3年間の中期経営計画「進化する“One MIZUHO”~総合金融コンサルティンググループを目指して~」のもと、「お客さま第一」と「オペレーショナルエクセレンス」の追求を進め、顧客の多様な金融ニーズに的確かつ迅速にこたえるOnly Oneのパートナーになることを目指している。