- ディップ株式会社
営業支援アプリを導入し、
高度な情報管理基盤を整備
JMASの柔軟な開発体制を評価
目的
各法人営業人員がExcelやメモ帳、頭の中などで個別に管理してきた情報を社内共有できるシステムを構築し、営業効率を高めたい
- 概要
- ディップ株式会社(以下、ディップ)は、これまで各法人営業人員がExcelやメモ帳、頭の中などで個別に管理してきた情報を社内共有できるシステムを求めていた
- モバイルアプリ開発の実績が豊富なJMASに協力を依頼し、スマートフォン向け営業支援アプリ「レコリン」を開発した
- 営業人員は外訪先から営業に必要な情報を閲覧、登録するだけでなく、上長への報告も行うことが可能になった
- マネジャー層も営業活動の実態を把握し、各営業人員へ適切な指示を出せるようになった
- 課題
- 重要な示唆を含む情報を迅速に社内共有できず、情報活用も難しかった
- マネジャー層は各案件の詳細なコンタクト履歴を追うことができず、それが顧客対応漏れや商談機会のロスを生むリスクになっていた
- 選定理由
- モバイルアプリの開発実績が豊富
- 「バイトル」のスマートフォンサイトの全面刷新、アプリ開発を成功させた実績
- 成果
- 要件をスピーディに具現化し、営業支援アプリ「レコリン」を短期にリリースできた
- 営業活動の実態を可視化することに成功した
- 情報活用基盤を整備することができた
Excelやメモ帳、頭の中での
情報管理が限界に
ディップは、日本最大級のアルバイト・パート求人情報サイト「バイトル」や、総合求人情報サイト「はたらこねっと」などを運営する総合求人情報サービス企業だ。2019年4月からは“Labor force solution company”を新たにビジョンとして掲げ、事業ドメインを拡大。人と、AI・RPAの両面から企業を支援する「労働力の総合商社」として社会を改善することを目指している。
同社の法人営業部では、人材募集を行っている企業に対して求人メディアを活用した人材採用の支援を行っている。これまで各営業人員は、主にExcelやメモ帳、頭の中などで営業に必要な情報を管理してきた。このため、情報が散在。顧客からの過去の依頼内容や電話での問い合わせ内容、受注や失注に至った経緯などを情報資産として社内共有することは事実上不可能で、情報活用も困難だったという。
商品開発本部 次世代事業統括部 dip Robotics 室長 亀田 重幸氏は、「既存のCRMシステムには各顧客にひもづく案件について受注したか、失注したかといった情報しか登録されていない状況でした。マネジャー層は、個別案件において顧客接点の創出からアポイントの設定、訪問、商談、成約に至る詳細なコンタクト履歴を追うことができず、それが顧客対応漏れや商談機会のロスを生むリスクになっていたのです」と語る。
既存のCRMシステムはスマートフォンに対応しておらず、営業人員は外訪先から各顧客にひもづく案件の進捗状況やコンタクト履歴などを閲覧できなかった。商談中にやり取りされた内容も即時に登録できず、帰社後の残務処理に回さなくてはならない。現場の要求にこたえられないCRMシステムはほとんど使用されておらず、分析に利用できるデータが蓄積されなかったのだ。
過去のプロジェクト成功と
アプリ開発の実績を評価
そこでディップでは、スマートフォン向けの営業支援アプリを構築するプロジェクトを立ち上げ、開発パートナーにJMASを選定した。
商品開発本部 次世代事業統括部 dip Robotics リーダー 石井 亜美氏は、「JMASには以前、『バイトル』のスマートフォンサイトの全面刷新とアプリ開発を支援していただき、その後も良好な関係を続けています。その成功体験に加え、我々のビジネスやシステムへの理解度、モバイルアプリ開発の実績などを踏まえると、JMASの選択は最善でした」と話す。
開発においてはアジャイル開発手法を選択。JMASが作成した複数のプロトタイプをもとにユーザである営業人員とマネジャー層の要望をヒアリングしながら本当に必要な機能だけを1つずつ作り込み、全体最適となるシステム像を追求していく開発アプローチをとった。
石井氏は、「JMASはデータ構造やユーザ目線でのUI/UXの妥当性を検証しながら細かな仕様変更に対処していく反復開発にも柔軟に対応してくれました。我々が提示した抽象的な要件についてもしっかりと意図をくみとった上でスピーディに具現化してくれたことが印象に残っています」と語る。
単に要件を機能に落とし込むのではなく、より良いものを共に作っていこうとするJMASの姿勢も評価された。「JMASの献身的なサポートを得ながら本当に必要な機能やユーザに見せるべき情報を必要最小限に絞り込んで実装できたことが短期にリリースできたポイントです。JMASは品質、コスト、納期といったQCDのバランスが良く、それぞれの要件を高いレベルで満たしてくれました」(石井氏)
好意的な口コミが広がり、
一気に定着へ
ディップは、2018年9月、営業人員を対象に営業支援アプリ「レコリン」を展開した。運用開始後もトライ&エラーによる改修を繰り返しながら、“「レコリン」が業務に役立つ”という共通認識を形成することで定着化を促した。
亀田氏は、「これまで営業人員は帰社後に日報を作成し、メール経由で上長への報告を行ってきました。「レコリン」では外訪先での情報の閲覧や登録に加え、上長への報告も行えます。営業人員がメリットを体感しやすい仕組みにしたことで好意的な口コミが広がり、現場での活用は一気に進みました」と話す。
いまでは対象ユーザの99%が「レコリン」を使って営業に必要な情報を管理している。結果、「レコリン」に登録されているデータは従来のCRMシステムと比べて約3倍に増加。各顧客にひもづく案件の進捗状況や詳細なコンタクト履歴もリアルタイムに社内共有されている。これにより、マネジャー層は「だれが」「いつ」「どんな提案をして」「どうなったか」という営業活動の実態を把握し、各営業人員により適切な指示を出せるようになった。
「レコリン」には細分化された商談プロセスごとに顧客の反応も入力されている。そのため、成約の決め手になった要素を分析することも可能だ。今後は、成約率の高い営業人員の商談スキルを形式知化し、共有することで全社的なスキルの底上げと習熟度の向上を図っていく。また、成績の振るわない営業人員の行動パターンも分析し、最適な教育研修やセミナーの受講を勧めるなどの働きかけも行っていく予定だ。
亀田氏は、「帳票の作成や閲覧も行えるように『レコリン』を改修し、さらなる営業の効率化を図っていきます。また、『レコリン』の対象ユーザを担当領域の異なる営業人員にも広げる計画です。営業人員や文化などの違いをうまく吸収しながら彼らにも最適な仕組みを提供するために、JMASと密に連携をとりながら開発を進めていきます」と話した。
会社プロフィール
- 社名
- ディップ株式会社
- 本社
- 東京都港区六本木3-2-1 六本木グランドタワー31F
- URL
- https://www.dip-net.co.jp/
ディップは、日本最大級のアルバイト・パート求人情報サイト「バイトル」や、総合求人情報サイト「はたらこねっと」などを運営する総合求人情報サービス企業だ。2019年4月からは“Labor force solution company”を新たにビジョンとして掲げ、事業ドメインを拡大。人と、AI・RPAの両面から企業を支援する「労働力の総合商社」として社会を改善することを目指している。