- 三菱UFJリサーチ&コンサルティング
KAITOセキュアレコーダの導入で会議や
商談時の音声データを漏えいさせる
リスクを極小化し、議事録の正確性も担保
KAITOセキュアカメラを併用し業務効率も改善
目的
会議やセミナー、商談時のやり取りを音声で記録
会議資料やホワイトボードのメモを画像として記録
音声データや画像データを安全かつ確実にサーバへ転送する
- 概要
- 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(以下、MURC)は、会議やセミナー、商談時の音声データを安全にサーバへ転送する手段としてKAITOセキュアレコーダを導入した
- これにより、ICレコーダ内に音声データを残さない運用を実現し、情報漏えいリスクを極小化することに成功。正確な議事録の作成などにも役立てている
- また、KAITOセキュアカメラも活用し、会議資料やホワイトボードのメモ、建物や土地などの調査対象を画像として記録
- 端末内に画像データが保持される問題は解決し、社内への共有スピードも大幅にアップした
- 課題
- 録音シーンでは、会社貸与のICレコーダ内に音声データを残すことなくサーバへ転送する手段がなかった
- 私物端末の標準カメラを使用した撮影では、端末内に画像データを残さない運用が各ユーザの裁量に任せられていた
- 選定理由
- 音声、および画像データをクラウドのサーバへ自動転送し、転送完了後、端末内のファイルが自動的に削除される
- 音声、および画像データを分割、圧縮、暗号化した上でクラウドのサーバへ転送できる
- 仕様変更や機能追加などの細かな要望にもこたえてくれる
- 導入の効果
- 業務に必要な音声データや画像データを安全に管理、取得
- 商談時の会話を音声データとして残すことでクライアントとの認識の食い違いを回避
- 情報漏えいリスクを極小化
- ICレコーダやデジタルカメラの保管、持ち出し許可、履歴管理などの手間が軽減
端末内の音声データや画像データの
漏えい対策が急務
MURCは、三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下のシンクタンク・コンサルティングファームだ。グループの金融機関の顧客基盤をベースに、企業向けの各種コンサルティグサービスや経営情報サービスの提供、国や地方自治体の政策に関する調査研究・提言などを行っている。
同社、システム部 部長代理 金田 裕治氏は、「研究員やコンサルタントを中心とする社員は、これまで会社貸与のICレコーダを使って会議やセミナーの音声を記録してきました。音声データがあれば、議事録の作成や社内共有に便利です。また、商談時のやり取りの証跡を残すことでお客様との認識の食い違いも回避できます。ただ、ICレコーダ内に音声データを残すことなく社内へ転送する術がなく、その点を懸念していました」と語る。
また、同社は2013年より一部の業務・社員に限ってBYODを実施。外出先から社内システムへ安全にアクセスできる仕組みやモバイル管理ソリューション(MDM)を導入し、一定のルールのもとで私物端末の業務利用を許可してきた。私物端末が業務に利用されるのは会議資料やホワイトボードのメモ、建物や土地などの調査対象を画像として記録するシーンだ。撮影データは、主に社内やクライアントへの説明資料の作成に用いられる。
私物端末での撮影では、標準カメラで撮った画像データを社内のファイルサーバへ転送後に端末内から自動削除されるアプリが利用されてきた。ただ、このアプリは画像データを任意のタイミングでサーバへアップロードするといった使い方も可能だった。このため、端末内に画像データを残さない運用は各ユーザの裁量に任せざるを得なかったという。
同社はPBXの更改を機に、社員に貸与してきたフィーチャーフォンをAndroid端末(スマートフォン)へ切り替えることを決めた。そこで検討されたのは、録音や撮影シーンでのAndroid端末の活用だ。
金田氏は、「音声や画像を記録してからユーザが削除するまでの間とはいえ、ICレコーダや私物端末内にデータが残ってしまうのは問題です。会社貸与のPCやフィーチャーフォン、ICレコーダ、デジタルカメラなど、複数のデバイスを持ち歩く業務スタイルから脱却することも求められました」と話す。
JMASの熱意と手厚いサポートが印象的
MURCは、こうした課題を解決するためのツールの調査を開始。通信キャリアの紹介で知ったJMASのKAITOセキュアレコーダとKAITOセキュアカメラを機能や使い勝手、コスト、実績などの項目で評価した。
KAITOで記録したデータは即時に分割、圧縮、暗号化された上でサーバへ転送され、転送完了後に端末内から自動で削除される。このため、端末内にデータを残さない運用を徹底することが可能だ。
同社は2018年8月より、KAITOセキュアレコーダとKAITOセキュアカメラのクラウド版について一部ユーザに限定したトライアルを実施。実用性と安全性を評価しつつ、社内ユーザの要望も機能に反映させた。
金田氏は、「JMASは何度もわれわれのもとに通い、難しい仕様変更や機能追加などの要求にこたえてくれました。技術的な問題に直面したときも、環境条件を合わせてすぐに検証を行い、解決策を提示してくれました。これだけ親身にサポートしてくれるベンダーは希少です」と語る。
端末内にデータを残さない運用を実現
MURCは2018年12月、会社貸与のAndroid端末でKAITOセキュアレコーダとKAITOセキュアカメラを利用できる環境を整えた。2019年5月時点でKAITOセキュアレコーダのユーザは、利用申請手続きを経た120人。KAITOセキュアカメラのユーザも配布対象の約30%にあたる300人に達している。
音声データや画像データには記録者を識別する個人コードや日付コードが付与され、クラウドのサーバへ転送される。社内の業務PCからKAITOの管理画面にアクセスし、自ら記録したデータだけを検索、再生、閲覧、ダウンロードできる仕組みだ。社内に共有する際は対象のデータを業務PCにダウンロードし、ファイルサーバの共有フォルダに収める。
金田氏は、「研究員やコンサルタントはKAITOセキュアレコーダを利用し、社内会議やセミナーだけでなく、商談や打ち合わせ時の会話もお客様の了承を得た上で録音しています。サーバへの転送完了後、端末内から音声データが自動的に消去されるため、端末の盗難や紛失による情報漏えいの心配は無用です。セキュリティを確保するためにユーザの手を煩わせることもありません」と話す。
ユーザはこれまでと同様、音声データをもとに会議や打ち合わせ時のやり取りを振り返ることが可能だ。このため、万一、メモが不十分な場合でも正確な議事録や適切な説明資料を作成できる。時系列に沿った議事録が必要な際には、音声認識サービスを活用したテキスト化も行う。音声データは、内部統制を向上するための証跡としても必須だ。
KAITOセキュアカメラを導入したことで、一時的とはいえ端末内に画像データが保持される問題も解決した。「以前は、私物端末の業務利用という前提から標準カメラの使用を制限することもできませんでした。KAITOセキュアカメラを入れた会社貸与のAndroid端末では、Android Enterpriseの機能により標準カメラの使用を抑止しています」(金田氏)
KAITOセキュアカメラは従来のアプリと異なり、管理画面から複数の画像データを選択し、一括でダウンロードすることができる。このため、業務に必要なデータを社内に共有するスピードは大幅にアップした。セミナーを動画で記録し、社内の関係者に共有するといった使い方もすでに始まっている。
KAITO導入後、ユーザから操作方法の問い合わせやクレームは一切ない。KAITOは簡単に使えるがゆえに、自然とユーザに受け入れられた格好だ。
副次的な成果も見えている。以前は、社員に社有ICレコーダやデジタルカメラを貸し出すケースも多く、保管や持ち出し許可、履歴管理などに手間がかかっていた。今回、Android端末に録音と撮影の機能を集約したことでデバイス管理担当者の負担も軽減したという。
金田氏は、「特に国外での録音や撮影のミスはやり直しがきかず、問題になりやすいもの。帰国してからそれに気づいても手遅れです。今後は、社内の業務PCだけでなく、社外に持ち出した業務端末からもKAITOで記録したデータを検索、再生、閲覧できる環境を整えていきます」と話した。
会社プロフィール
- 社名
- 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
- 本社
- 東京都港区虎ノ門5-11-2 オランダヒルズ森タワー
- URL
- https://www.murc.jp/
MURCは、三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下のシンクタンク・コンサルティングファームだ。グループの金融機関の顧客基盤をベースに、企業向けの各種コンサルティグサービスや経営情報サービスの提供、国や地方自治体の政策に関する調査研究・提言などを行っている。