- ヒューリック株式会社
不動産取得業務での調査に伴う写真撮影にKAITO セキュアカメラを利用
撮影データの安全かつ効率的な社内共有を
実現し、働き方改革を推進
目的
不動産取得業務での各種調査においてiPhoneで撮影した写真を安全かつ効率的に社内共有する
- 概要
- ヒューリック株式会社(以下、ヒューリック)は、不動産取得業務での各種調査において会社貸与のiPhoneで撮影した写真を安全かつ効率的に社内共有するツールとしてKAITO セキュアカメラを検討
- 一部ユーザに限定したトライアル運用を行って安全性や実用性を評価し、約200台のiPhoneにKAITO セキュアカメラを導入した
- 結果、同社では撮影データをサーバへ自動転送し、転送済みデータを端末内に残さない運用を行うことが可能になった
- 不動産の取得・開発業務に関わる各部署の担当者は、資料作成などに必要な撮影データを容易に閲覧、取得できるようになった
- 課題
- 撮影データの社内共有プロセスに非効率が発生していた
- 端末の盗難・紛失に伴う撮影データの漏えいリスクを抱えていた
- 選定理由
- 端末内に撮影データを残さない運用を強制できる
- 撮影データを即時に分割・圧縮・暗号化した上でサーバに転送できる
- サーバの運用保守に時間や労力がかからず、初期投資も抑えられる
- 導入の効果
- 撮影データの漏えいリスクを極小化した
- 撮影データを社内共有するスピードが大幅にアップした
電子メールを使った撮影データの社内共有が
限界に
ヒューリックは、東京都心のオフィス・商業ビルの不動産賃貸を中核事業として展開し、不動産の開発・建替・投資なども手がけるデベロッパーだ。同社は、2014年から2023年までの長期計画「10年後のヒューリック」のもと、「高齢者・観光・環境」の3つの分野に戦略的投資を行っており、さらなる事業領域の拡大を図っている。
不動産の取得業務では、不動産所有者や仲介業者などから持ち込まれた不動産について取得すべきかどうかを判断していく。取得検討部署の担当者は現地で物件を確認し、別の部署が立地動向調査や賃料査定などを実施。その後売買を実行する物件については、社内外の専門家とともに詳細調査や契約書締結の手続きを行うのが大まかな流れだ。物件取得後はリーシング部署がテナントの募集や仲介会社への営業活動を行う。
取得業務における各種調査では、不動産ごとに各部署が必要とするカットで数十枚から百数十枚の写真を会社貸与のiPhoneで撮影する。最適な投資判断をするための社内説明用資料やテナント募集の基本資料の作成に用いたり、不動産情報を社内で共有したりするためだ。しかし、調査における撮影では大きく2つの課題があった。1つは、iPhoneの盗難・紛失に伴う撮影データの漏えいリスクを抱えていたことだ。もう1つは、iPhone標準のカメラアプリで撮影した写真をグループウェアに取り込む作業に手間がかかっていたことだった。
営業推進部 参事役 堀 紘子氏は、「iPhoneを会社PCに接続することはセキュリティポリシーで禁止されています。このため、社内共有する写真をグループウェアに取り込む作業では、電子メールに写真を添付して共有メールアドレスに送信し、共有フォルダに収めてきました。そして各部署の担当者が必要な写真を会社PCで閲覧、取得するステップを踏んできたのです。ただ、電子メールで送信できるファイル容量には制限があります。写真を数枚ずつ添付して送信する作業を繰り返し行わなければならない非効率が生じていたのです」と語る。
KAITO セキュアカメラ導入による効果
KAITO セキュアカメラで端末内に撮影データを
残さない運用を強制
そこでヒューリックは、iPhoneで撮影した写真を安全かつ効率的に社内共有できるツールの選定を実施。ネット検索をベースにツールを調査していたところ目に留まったのがJMASのKAITO セキュアカメラだった。
ヒューリックプロサーブ株式会社 システム・事務部 部長代理 小板橋 顕子氏は、「重要な要件は、撮影データを端末内に残すことなく運用し、情報漏えいリスクを極小化できることです。たとえば、クラウドストレージを使うスタイルでは、アップロード済みの端末内の写真消去をルール化してもユーザが消し忘れてしまうこともあるでしょう。これに対し、KAITO セキュアカメラは撮影データを分割、圧縮、暗号化した上でサーバへ自動転送し、完了後に端末内の撮影データを自動的に削除してくれます。端末内に撮影データを残さない運用を強制できることは大きな利点でした」と話す。
また、KAITO セキュアカメラのクラウド版を利用すれば、新たにサーバを立てる必要がなく、初期投資を抑えられる。サーバの運用保守に時間や労力がかからないことも選定の決め手だった。
同社は、各部署の一部ユーザに限定したトライアル運用を行い、ユーザの意見を広く聞きながらKAITO セキュアカメラの安全性や実用性について評価した。結果、2017年7月にKAITO セキュアカメラの正式導入を決めた。
小板橋氏は、「ツールの導入では試行期間を設けてユーザに操作感などを確認してもらい、重要な要件を満たせることを検証してから採用する方針をとっています。JMASには機能追加への要望をヒアリングしていただき、一部の機能をバージョンアップのタイミングで実装していただきました。JMASは問い合わせ対応も早く、マニュアルなどの必要な情報を試行運用前に提供していただけたため、システム管理者としての機能確認や、セキュリティと利便性のバランスのとれた運用ルールの策定を速やかに行うことができました」と語る。
資料作成などに必要な撮影データを容易に
取得可能に
ヒューリックは、不動産取得業務の各種調査における写真撮影にKAITO セキュアカメラを利用できる環境を整えた。2017年10月時点で約200人がKAITO セキュアカメラを利用している。KAITO セキュアカメラのユーザは、不動産取得に携わる担当者だけではない。不動産開発の検査担当者も現場状況を写真に収め、仕様書や計画書どおりに施工が行われていることをチェックしている。
ビル事業企画部 和田 賢介氏は、「KAITO セキュアカメラは、iPhone標準のカメラアプリと使い方がほとんど変わらず、直感的に使えます。アプリをインストールするだけで簡単に使い始められる手軽さも魅力です。KAITO セキュアカメラにより撮影データをチームに共有するスピードは大幅にアップしました」と話す。
KAITO セキュアカメラの撮影データには撮影者を識別する情報が付与され、分割、圧縮、暗号化された上でサーバへ自動転送される。そこに会社PCからアクセスすれば、必要な撮影データを容易に閲覧、取得することが可能だ。
堀氏は「以前は、撮影データを電子メールで数枚ずつ送信する手間が大きく、その時点で必要なものだけを選んで共有してきました。ただ、その時点では不要でも後のフェーズで必要になるものもあります。そのたびに端末内に埋もれた対象データを探し出し、共有する二度手間が生じていたのです。いまではすべての撮影データを即時に共有できるようになり、移動時、撮影データのチェックに費やしてきた時間を業務メールの確認などに充てられるようになりました」と、KAITO セキュアカメラの導入によって限られた時間をより有効に活用できるようになった効果を実感している。
また、プロパティマネジメント事業・賃貸不動産の管理、および運営を担うヒューリックビルマネジメント株式会社でも破損や汚損箇所などの撮影にKAITO セキュアカメラを利用している。改修、修繕工事の委託先と撮影データを事前に共有すれば、その後の業務上のやり取りを円滑に進められるためだ。
小板橋氏は、「KAITO セキュアカメラは、スマホでの写真撮影を伴う業務での働き方改革を推し進めてくれました。今後は、ヒューリックグループ各社へ段階的に利用範囲を拡げ、撮影データを関係者に安全かつ迅速に共有できる環境を整えていきます」と話している。
会社プロフィール
- 社名
- ヒューリック株式会社
- 本社
- 東京都中央区日本橋大伝馬町7番3号
- URL
- http://www.hulic.co.jp/
ヒューリック(HULIC)という社名は、「HUMAN(ひと)」、「LIFE(生活)」、「CREATE(創造する)」という3つの言葉を組み合わせて作られました。
これには、人々の暮らしや環境をより快適で安心に、そして、より豊かなものにするために、様々な商品・サービスを創造・提供していきたいという私たちの思いが込められています。