- 大日本印刷株式会社
モバイルを活用した業務改善をJMASと連携
~金融機関向けの業務効率化・
セキュリティソリューションを強化~
目的
顧客である金融機関に、渉外営業の本人確認業務における非効率を解消し、原本の盗難・紛失による情報漏えいリスクを軽減する最適なソリューションを提供する
- 概要
- DNP 大日本印刷株式会社(以下、DNP)は、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル活用を検討する金融機関にさまざまなセキュリティ関連ソリューションを展開している
- JMASとパートナー契約を結び、KAITO セキュアカメラの取り扱いを開始する
- 渉外営業における本人確認などの業務効率化とセキュリティの担保を実現したい金融機関に最適なソリューションを提案できた
- 選定理由
- 撮影データをサーバへ自動転送し、転送完了後、端末上のファイルを自動的に削除できる
- 撮影データを即時に分割・圧縮・暗号化した上でサーバに転送できる
- 成果
- 金融機関が抱える課題を解決するためのソリューションが拡充された
- BPOサービスの一部をKAITO セキュアカメラに置き換える提案が可能になった
KAITO セキュアカメラが金融機関の要件に合致
DNPの情報イノベーション事業部では、ICカード、NFC、カード関連機器、スマートフォン・タブレット、印刷関連機器、オフィスセキュリティなどの領域において各種ITソリューションを扱い、経営とITの側面から顧客の課題解決を支援する。たとえば、オフィスセキュリティ領域では、長年のカード製造と情報処理で蓄積したセキュリティ技術・ノウハウをベースに、セキュリティと利便性を両立させたオフィス空間を実現するコンサルティングサービスを展開。ICカードを活用した入退室管理システムやプリント認証システム、360度全方位監視可能な監視カメラなどのソリューションから顧客にとって最適な組み合わせを提案できることが強みだ。
情報イノベーション事業部 セキュリティソリュ―ション営業部 企画営業課 上原 智之氏は、「昨今、従業員の労働時間の適正化がクローズアップされてきており、多くの企業がモバイル活用を軸に業務効率の改善や柔軟なワークスタイルの実現を目指しています。一方で、モバイルの盗難・紛失による情報漏えいなどのセキュリティへの懸念が企業のモバイル導入の足かせになっていました。この中でDNPは、スマートフォン・タブレット領域においてJMASのKAITO セキュアブラウザを商材に加え、MDM(Mobile Device Management)と組み合わせたパッケージを提供しています」と語る。
金融機関における近年のモバイル投資熱の高まりを受けて、DNPが金融機関向けに展開しているのが、セールス強化や新規顧客獲得、業務効率化を支援するモバイルアプリ、およびアンチウイルス・フィルタリングをはじめとするセキュリティソリューションだ。
情報イノベーション事業部 セキュリティソリュ―ション営業部 企画営業課 小松崎 諒氏は、「モバイル活用を検討する金融機関のお客さまの課題をヒアリングした際によく聞かれたのは、渉外営業において顧客の本人確認書類を一時的に預かって必要な情報をコピーし、原本を返却する業務の非効率を解消したいという声でした。この業務プロセスでは、原本の紛失・盗難による情報漏えいリスクも隣り合わせにあります。そこで、こうした課題の解決策となるツールの調査に乗り出したのです」と話す。
同事業部の目に留まったのが、JMASのKAITO セキュアカメラだ。これは、スマートフォン・タブレット端末用のカメラアプリと撮影データのサーバ転送の仕組みをセットにしたパッケージ。KAITO セキュアカメラで撮影したデータはサーバへ非同期に自動転送され、転送完了後、端末上のファイルは自動的に削除される。
小松崎氏は、「KAITO セキュアカメラで撮影したデータは、即時に分割・圧縮・暗号化されます。したがって、不安定な通信環境下においてデータ送信未完了の状態で端末の紛失・盗難に遭っても第三者に情報を盗み見られる心配は無用です。ただ、当時、KAITO セキュアカメラはリリースされたばかり。それでもお客さまに提案できる商材として取り扱いを決めたのは、金融機関での実績を重ねていたKAITOブランドや、誠実にお付き合いいただけるJMASへの信用があったためです」と語る。
渉外営業業務を効率化し、
情報漏えいリスクを低減
モバイルを活用して業務に必要な情報を効率的かつセキュアに取得・管理したい金融機関では、KAITO セキュアカメラの引き合いが増えてきた。DNPからの紹介を通じてKAITO セキュアカメラを導入し、成果を上げているのが、株式会社山梨中央銀行だ。
かつて、同行の渉外営業における担保物件登録業務では、担当者が登録対象物件をデジタルカメラで撮影後、営業店に戻り、行内のストレージに手動でアップロードすることを余儀なくされてきた。また、本人確認業務においても顧客の本人確認書類を一時的に預かり、顧客宅を再訪して現物を返却する方法をとらざるを得ず、これが業務の非効率と情報漏えいリスクを生んでいたという。こうした課題の解決策として採用されたのがKAITO セキュアカメラだ。約1カ月間のテスト運用を経て、2015年4月に本稼働に至った。
結果、同行では、KAITO セキュアカメラを利用して渉外営業における業務の非効率を解消することに成功した。また、運転免許証の臓器提供有無などの不要な箇所を省いたマスクフレーム撮影も可能になり、必要な情報だけをセキュアに取得できる体制だ。上原氏は、「KAITO セキュアカメラは、セキュリティが必須な業務の効率改善という点で投資に対する効果を説明できるため、お客さまに提案しやすいツールです。システム構成がシンプルで、ユーザが直感的に操作できるため、導入、開発、定着化のハードルが極めて低いこともメリットです」と話す。
BPOサービスの一部に
KAITO セキュアカメラを活用
DNPは、BPO(Business Process Outsourcing)のメニューとして、クレジットカードやキャッシュカードなどの紙の入会申込書の回収から、受付登録、書類審査、スキャニング、データ入力、生活者への通知書の発行までに至る一連のプロセスを代行するサービスを展開している。そして、このBPOソリューションとKAITOを連携することで、さらなる価値を顧客に提供できると考える。カードの申し込み窓口から入会申込書を回収し、物理的な手段で受付センターへ引き渡すまでのプロセスをKAITO セキュアカメラに代替させることで、各店舗での申込書の保管リスク低減や輸送便のコスト削減を実現可能だ。
「各店舗や拠点にはモバイル端末が1台ずつ導入されているケースが多く、お客さまにとってセキュリティとコスト削減を両立するKAITO セキュアカメラは導入しやすいツールです。これからBPOを検討されるお客さま、すでにアウトソースされているお客さまのどちらにも活用いただけるソリューションと考えています」(小松崎氏)
今後の展望について上原氏は、「JMASではKAITOシリーズのロードマップ策定に際し、次期以降のバージョンに実装すべき機能について議論し、それぞれに優先度をつけながら目標達成までのスケジュールなどを検討されるでしょう。標準化すべき機能などについてユーザからできるだけ広く意見をうかがい、最大公約数的に指針を定めたい場面では、私たちもパートナーとして協力できることがあるかもしれません。JMASとの協業関係を深めながら、さらなる市場開拓を進めていきます」と話している。
会社プロフィール
- 社名
- 大日本印刷株式会社
- 本社
- 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号
- URL
- http://www.dnp.co.jp/
DNP 大日本印刷は、国内外の約3万社の顧客企業や生活者に対し、幅広い分野で多様な製品やサービスを提供する世界最大規模の綜合印刷会社だ。1876(明治9)年の創業以来、よりよい社会にするために何をすべきか、ということを念頭に、事業を展開してた。
創業時の舎則に掲げた「文明の業を営む」という言葉は、人々の暮らしや社会の発展に貢献しようという決意を表しており、その志は今に受け継がれている。1950年代以降、それまでの出版印刷や商業印刷から、パッケージや建材、ディスプレイ製品や電子デバイスなどへと事業領域を拡大し、印刷技術の可能性を広げる「拡印刷」を推進してきた。
いまでは、環境やエネルギー、ライフサイエンスなどの分野にも事業を広げている。
DNPは、歴史のなかで培った技術や経験を活かし、企業や生活者、社会の課題を解決する「未来のあたりまえ」をつくり続ける。