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- 大和鋼管工業株式会社
KAITOセキュアカメラの導入で
製造現場での撮影業務の
効率化と機密管理の強化を実現
ユーザの利便性を重視したカスタマイズを
実施し、画像・動画共有のプラットフォーム
として定着

目的
製造現場での撮影業務を安全かつ効率的に行えるようにするとともに機密管理の強化も実現したい
- 概要
- 大和鋼管工業株式会社(以下、大和鋼管工業)では、製造現場での撮影業務にあたってユーザにデジタルカメラを貸与するスタイルをとってきた
- 煩雑な撮影許可申請プロセスが業務スピードを阻害する要因になっており、撮影データの取り扱いルールを徹底することも難しくなっていた
- グローカル戦略推進部は、全社員に貸与するiPhoneの利用を前提として撮影業務を改善するべく、KAITOセキュアカメラを導入した
- 撮影業務の効率化と機密管理の強化を実現し、社内での情報共有も迅速化した
- 課題
- 撮影許可申請プロセスが煩雑で、ユーザの利便性を損ねていた
- 撮影データの取り扱いルールが形骸化しつつあった
- 選定理由
- 記録された画像や動画はKAITOサーバ上のフォルダに納められると、端末内から自動削除される
- コストに妥当性があり、セキュリティ面も盤石である
- サポートが手厚く、カスタマイズを柔軟に行える
- 導入の効果
- 煩雑な撮影許可申請プロセスを経ることなく、すぐに撮影できるようになった
- 撮影データの取り扱いルールを徹底できるようになった
- 社内での情報共有スピードが大幅に向上した
撮影業務における
社員のストレスと負担を軽減したい

大和鋼管工業は栃木県さくら市に本拠を置き、亜鉛メッキ鋼管の製造・加工・販売を行う専業メーカーだ。高品質かつエコロジカルな同社の鋼管は、建築現場の足場や仮設構造物、コンベヤ、農芸用ハウスの骨格、道路資材など広範に使用されている。
同社にてシステム業務全般とデジタル化による業務改善を主導しているのがグローカル戦略推進部である。同部は2014年、グループウェアや各種業務支援システムをクラウド化し、営業部門や管理部門にiPhoneの貸与を行った。2019年には製造現場作業員も含めた全社員にiPhoneを配布。モバイルデバイスの全社的な活用法を模索する中で目を付けたのが製造現場での撮影業務だ。
実際、製造現場では危険な作業・場所の洗い出しと対策を講じるKY活動や設備の点検作業、品質管理業務の一環として撮影を行うケースがある。現場改善のビフォーアフターや設備の状態、製品品質などを画像として記録し、報告書や説明資料の作成、製造工程の検証などに用いるためだ。また、マーケティング施策や社員教育におけるコンテンツ・資料の制作にあたっても撮影を行う。
ただ、撮影業務にはいくつか問題があった。同社では撮影者にデジタルカメラを貸与するスタイルをとってきたが、撮影許可申請プロセスは煩雑だ。撮影者は前もって撮影対象や用途などを上長に説明して承認をもらい、撮影時に必要になるデジタルカメラと腕章を借り受ける必要があった。
グローカル戦略推進部 部長 高梨 怜雄氏は、「iPhoneを全社員に貸与する前に、機密管理の一環として撮影禁止区域を定めるなど、製造現場での撮影ルールを策定しました。しかし、iPhoneと私用端末の製造現場への持ち込みに関する規定はあるが、撮影ルールを強制する術がありませんでした。撮りたいときにすぐに撮れない環境が会社貸与のiPhoneや私用端末の標準カメラ機能の無断使用を引き起こすリスクを生んでいたのです」と語る。
撮影データの取り扱いルールも形骸化しつつあった。同社では、撮影者がデジタルカメラで記録した画像や動画のファイル名の頭文字に機密レベルを示すキーワードを付加し、保存先も区分する運用を行ってきた。しかし、定期チェックだけでは限界があり、ルールを徹底させるのは現実的に難しかったという。グローカル戦略推進部は撮影業務におけるこれらの問題を解決するため新たなソリューションの調査に乗り出したのだ。
カスタマイズも柔軟に行える
KAITOセキュアカメラを採用

堀井 宏紀 氏
グローカル戦略推進部は、iPhoneの利用を前提として安全かつ効率的に撮影を行えるツールの調査を開始。ネット検索による情報収集で探し当てたのがKAITOセキュアカメラだった。
グローカル戦略推進部 課長 堀井 宏紀氏は、「KAITOセキュアカメラは、カメラアプリと撮影データのサーバ転送というわれわれが求める最小限の機能を備えたプロダクトという点でコストに妥当性があり、実績もあったことから選択肢としては一択でした。セキュリティ面も不足はありません。記録された画像や動画はKAITOサーバ上のフォルダにアルバムとして納められると端末内から自動削除されます。これを利用すれば社員がストレスなく撮影業務にあたれるようになると考えました」と話す。
同社は2019年6月よりトライアルを開始。安全性と実用性を評価して正式採用に至った。グローカル戦略推進部 中山 優美氏は、「カメラで記録された画像や動画の機密レベルに応じたファイル名の自動変更と適切なフォルダ管理を実現できることも重要な要件でした。そのためJMASには、撮影者がデータの転送先として機密レベル別のフォルダを選択でき、転送されたタイミングでファイル名の頭文字に特定のキーワードが自動付与されるカスタマイズを行っていただきました。撮影データの取り扱いルールを徹底できるようになり満足しています」と語る。
シンプルな操作で扱えるカスタマイズで
利用率が大幅に向上

グローカル戦略推進部は2019年8月、会社貸与のiPhoneにKAITOセキュアカメラを導入した。利用開始にあたっては全社員向けの説明会を行い、操作方法を記したマニュアルや撮影ルールと撮影禁止区域において標準カメラを用いた場合の罰則について規定したガイドラインを配布。KAITOセキュアカメラの社内認知を図った。
実運用フェーズに入り、一定の成果が得られた。1つは、KAITOセキュアカメラの利用者が撮影禁止区域内での撮影業務に自由にあたれるようになったことである。もう1つは、ユーザが画像・動画データを機密レベルに応じて適切なフォルダに振り分けるだけでファイル名称変更のルールを強制できるようになったことだ。ただ、利用率は低調だったという。そこで、利用者の絞り込みとともに、ユーザの要望や意見をヒアリングし、JMASに対し利用率向上のための機能要望を伝えた。
中山氏は、「JMASには、撮影開始前に存在したアルバム名の入力工程をスキップする機能を要望として取り込んでいただき、また、一度パスワード入力による認証をクリアすれば次のパスワード更新期間まで再入力を省略できる設定への変更を提案いただきました。セキュリティと利便性のバランスのとれた新たな運用体制を速やかに構築できたのはJMASのおかげです」と話す。
グローカル戦略推進部は再度説明会を開催し、KAITOセキュアカメラの具体的な利用シーンや使用イメージを提示することでユーザに動機づけを与えるとともにコスト意識の向上を図った。すると、KAITOセキュアカメラの利用者は徐々に増え、サービスの価値や利便性が高まっていく好循環が生まれた。結果、KAITOセキュアカメラの利用率は以前の約2.5倍、アップロード全体の容量は約4.3倍、ダウンロード容量は約8倍に上昇したという。
堀井氏は、「以前は撮影データを社内共有する際、KAITOサーバからダウンロードして別のチャットツールを介して送信するというステップを踏んでいたようです。いまではKAITOサーバが画像・動画共有のプラットフォームとして定着し、各部署の担当者がKAITOサーバに直接アクセスして必要なデータを閲覧・取得しています。KAITOサーバに一括転送されたデータにはユーザIDと撮影日時が付与され、同一のアルバムに収められるため検索性も高く、情報共有のスピードが大幅にアップしました」と語る。
今後は、設備保全管理システムと連携する計画だ。これは、工場内の生産設備の状態などを監視し、異常が検知された場合にアプリケーション経由で現場作業員にアラートや指示を出す仕組みだ。
高梨氏は、「現場作業員がKAITOセキュアカメラを使って設備の状態を即時に撮影し、設備管理部門などに迅速に共有できる環境を整備すれば、より効率的な予防保全・予知保全につなげられます。JMASから助言と技術的支援をいただきながらKAITOセキュアカメラを活用した業務改善をさらに進めたいと考えています」と話した。
会社プロフィール

- 社名
- 大和鋼管工業株式会社
- 本社
- 栃木県さくら市鷲宿4530-1
- URL
- https://www.daiwast.co.jp/company
大和鋼管工業は栃木県さくら市に本拠を置き、亜鉛メッキ鋼管の製造・加工・販売を行う専業メーカーだ。高品質かつエコロジカルな同社の鋼管は、建築現場の足場や仮設構造物、コンベヤ、農芸用ハウスの骨格、道路資材など広範に使用されている。