黒田化学株式会社

業務で個人のスマホを活用!
自動車はじめ各種業界のニーズに応える
高セキュアな写真管理

目的

開発段階における試作品の撮影や製造工程での品質管理のための撮影業務に関して、さまざまな取引先の基準を満たすハイレベルなセキュリティを実現したい

概要
  • 黒田化学株式会社(以下黒田化学)では、製造工程などで欠かせない写真撮影の業務におけるセキュリティ向上を課題としていた
  • KAITOセキュアカメラを導入し、BYOD(個人端末活用)で運用を開始。効果を実感
課題
  • 撮影業務において、取引先が求める基準を満たすセキュリティ性が必要
  • 既存のデジタルカメラによる運用は機材やPCに依存し、利便性が低い
  • 運用ルールの策定、費用対効果などさまざまなハードルがあり、解決策が見つからない
選定理由
  • 取引先の大手自動車部品メーカーなどで採用されている安心感
  • 特別な操作なしで写真を撮影・送信でき、撮影端末にデータが残らない
  • 1アカウント数百円からという導入の手軽さ
効果
  • BYODを採用し、利便性が高く、安全かつ費用対効果の高い環境を構築できた
  • 社内外にアピールできる納得のセキュリティ体制が実現できた

写真撮影が欠かせないものづくりの現場で
取引先の求める高品質なセキュリティ対策を

取締役 経営企画室長 黒田 匡泰 氏

オンリーワンのプラスチック技術で新しい価値を創造し続けてきた黒田化学。自動車、情報機器、医療、インフラ──、同社が生み出すプラスチック製品は、日本を代表するグローバル企業をはじめ、幅広い業界で採用され、国内外の産業を強力に支えている。同社の強みは、設計開発、金型製作といった生産準備から、工場での生産・出荷に至る一貫生産体制にあり、画期的な機能提案や品質向上を実現している。

そんな同社で、撮影業務のセキュリティ、利便性向上を目的にKAITOセキュアカメラが導入された。製造業におけるものづくりの現場では、設計開発、品質管理、コミュニケーションなど、さまざまな用途でプロダクトの写真が利用されている。同社でも複数の部署、業務において製品や試作品の写真を撮影している。以前はデータの流出対策を踏まえ、次のようなルールで業務を進めていた。

(1)撮影は各部署に用意された専用のデジタルカメラを使って行う。

(2)デジタルカメラからのデータ抽出は、セキュリティ対策済みのPCを使う。

(3)専用PCから所定のサーバーに格納し、必要に応じて参照・利用する。

同社のシステム部門を統括する取締役 経営企画室長の黒田匡泰氏は、以前の状況について、次のように説明している。「従来は、部署ごとに登録されたデジタルカメラを貸与しUSB経由で専用PCにデータをアップロードするという運用を行っていました。利便性の低さゆえに一部私物のスマホで撮影していたケースも見られ、一時的であれ私用端末に画像が残り外部に情報漏洩するリスクも抱えていました。また、社員からは、専用の機材やPCに依存した運用ではなく、簡単に加工・共有できるスマートフォンを使いたいという声が多く上がっていました。」

セキュリティに関して強化の必要性があると考えた同社では、さらなる対策を検討した。「性善説に基づいた運用ではなく、故意・過失にかかわらず情報漏えいを防ぐ仕組みが不可欠です。特に高いセキュリティが求められる自動車業界をはじめ、あらゆる取引先に納得いただける環境作りを目指しました。特定の取引先から要請があったというわけではないのですが、先んじて対策していきたいという意向は常に持っていました。」


選択したのはKAITOセキュアカメラと
BYODの組み合わせ

当初は社給端末(スマートフォン)の導入も検討したが、利用範囲やその運用ルールの策定、端末の選択、コミュニケーションツールとの連携、費用対効果など、多方面を巻き込む議論となり、すぐには結論に達しなかったという。そこで、まずは優先順位の高い撮影業務のセキュリティ対策に焦点を絞り、BYODでの対応を模索した。

同社が管理ツールとして選んだのがKAITOセキュアカメラだ。黒田氏は、「きっかけは弊社技術部からの提案です。取引先の自動車部品メーカー様でも採用されていると聞いて、興味を持ちました」と、実績による安心感があったことを語った。

業務で写真撮影を行う社員数を把握し、まずは約50アカウントで運用を開始した。既存のデジタルカメラ利用も廃止せず、BYODとの併用を実施することでスムーズにスタートすることができた。黒田氏は、「新しいことにすぐに飛びつく社風ではありません。BYODも含めて初の試みで最初は心配もありました。しかし、導入してみれば特にトラブルもなく、順調に活用が進んでいます」と語っている。


社内外へのアピール効果も上々
「今後も活用を広げたい」

黒田化学のKAITOセキュアカメラの導入範囲は、主に開発・製造工程の機密情報にかかわる部門だ。また、社員の個人情報などを扱う総務系の部門でも、必要に応じて利用している。黒田氏は、今回の導入により期待したセキュリティ効果は十分に得られたと評価している。

「手元のスマホで手軽に撮影できて、安全に送信できる。しかもデータを端末側に残さない。これらの対策が人の手ではなくシステムによって制御されていることは、セキュリティ性の高さとして対外的にアピールできます」と、今回の導入の動機付けとなった、取引先へのセキュリティ品質担保について強調した。

さらに波及効果として、社内向けの意思表示ができた点を挙げている。「情報漏えい対策は、全社一丸で取り組むべき課題なのだということを、改めて意識付けできました」。また、1ユーザー数百円/月という価格設定についても「費用対効果の面でも満足しています」と評価した。

最後に黒田氏は「投稿された写真を関係者がすぐに確認しコメントを残せるようなチャット機能があれば、開発のスピードアップや不良品対応の迅速化など、さまざまな効果が期待できそうです。KAITOセキュアカメラにはセキュリティを超えたコミュニケーションツールとしての発展も期待しています。」と話した。


会社プロフィール

社名
黒田化学株式会社
本社
富山県南砺市城端368
URL
https://www.kuroda-kagaku.co.jp/

黒田化学は1946年の創業以来、革新的なプラスチック技術で、自動車、情報機器、医療など国内外の産業を支えてきた。プラスチックをさらに進化・発展させることで、ほかにない新しい価値を生み出し続けている。富山のマザー工場を中心に、中国、ベトナム、メキシコにも拠点を展開。近年では次世代モビリティやスマートシティ領域にも注力している。