株式会社神戸ポートピアホテル

フロントスタッフの負担を軽減
急増する海外からの個人宿泊客の
パスポート記録をSカメラで効率化

目的

パスポートのコピーに関する業務を見直し、チェックインのスピードアップ、顧客満足度の向上につなげたい

概要
  • 海外宿泊客のチェックイン時、パスポートのコピーに手間や時間がかかっていた
  • パスポートを顧客から預かり、バックヤードでコピーするという手順は、不安を与えるのではないかと抵抗があった
  • stera端末にSカメラを搭載し、パスポートの撮影とデータのクラウド管理を開始。従来の複合機と紙による運用から脱却できた
課題
  • バックヤードの複合機1台でコピーを行っていたため、混雑時には顧客を待たせてしまうことがあった
  • コピーの件数が多く、簡易的な機材/システムでは対応しきれない
  • パスポートを預かって行う作業は、顧客の視界に届く範囲で行いたい
  • 複合機を使った紙による運用を脱却し、データをクラウドで保存したい
選定理由
  • 既存のstera端末を活用できるため、新たな機材を増やすことなくシンプルに導入できる
  • stera端末1台あたり500円(税別)という低価格、かつ1台単位で導入できる柔軟性
  • 要件に適う十分な画質を確保
  • 撮影データはクラウド上で安全に保存できる
効果
  • カウンターで簡単にパスポートの撮影を行えるようになった
  • 従来、複合機1台で行っていた業務を約10台のstera端末に分散。顧客をお待たせすることがなくなった
  • 顧客の視界の外にパスポートを持ち出す必要がなくなり、不安感を抱かせることがなくなった
  • ペーパーレスに成功した

フロント業務のボトルネックになっていた
パスポートのコピー問題をSカメラが解決

宿泊部フロント・レセプション支配人 藤木 章 氏

インバウンド需要の急伸により、多くのホテルのフロント/レセプションにおいて、海外からの個人宿泊客(Foreign Independent Tour 以下FIT)のパスポートチェックとコピー、そのデータ管理が負担になっている。神戸のランドマークとしてその名を刻んできた名ホテル、神戸ポートピアホテルでも、海外顧客の増加にともない同様の問題が発生していた。

従来FITのチェックインの際には、バックヤードの複合機を使ってパスポートから必要な個所をコピーしていた。しかし、チェックインが集中すると1台の複合機に対して複数のスタッフが順番待ちになることもあり、顧客を待たせる事態が発生していた。平均して年間およそ1万5000組ものFITを迎える同ホテルでは、これら一連の業務に多くの人手を割いており、改善が急務とされていた。また、短時間とはいえ宿泊客の目の届かない場所でパスポートを預かることになり、不信感につながりかねないことも問題視していた。

これらの課題を解決したのがSカメラだ。キャッシュレス決済のstera端末にアプリとして搭載し、パスポートの撮影とクラウドへの自動保存を行うことで、フロント業務の効率化、スピードアップ、さらにはペーパーレスといった成果を上げている。本サービスの選定、導入を進めたのは、宿泊部フロント・レセプション支配人の藤木章氏、経営企画アカウンティングの岡田一孝氏だ。

藤木氏はSカメラ導入前の状況について、次のように振り返っている。「課題を解決するために、簡易的なコピー機やスキャナーをフロントに導入したこともありましたが、いずれも定着しませんでした。コピー機は画質など品質面で満足いかなかった上に、頻繁にインクを交換する必要がありました。また、スキャナーは複数の画像データを1つにまとめて紐付けることが難しく、エラーも多発していました。厚みのあるパスポートがうまく取り込めないというトラブルの発生や、お客様の中にはパスポートに開き癖がつくことを嫌がる方もいらっしゃいますので、この点でも対応に苦慮していました」。


stera端末にアプリをダウンロードするだけ
安価かつ無駄のない導入ができた

経営企画アカウンティング 岡田 一孝 氏

Sカメラを採用した経緯について、岡田氏は次のように語った。「stera端末の提供元から、ホテルのパスポート管理に適したアプリがあると、事例とともに紹介してもらいました。内容を見て、すぐにこれは期待できそうだと思いました。私もフロント勤務の経験がありますので、パスポート管理の手間はよく理解しています。担当部門に紹介したところ、やはり『ぜひ導入したい』という反応でした」。

Sカメラを選定した理由の1つに、既存のstera端末を活用できるというメリットがあった。別途ハードウェアを用意する必要がないため、初期費用がほとんどかからないのだ。加えて、端末1台につき月額500円(税別)と安価な設定になっている。なお、同ホテルでは全館合わせて30~40台のstera端末が稼働しているが、パスポートにかかわるのはフロント/レセプション部門での約10台。Sカメラは10ライセンスから導入が可能なので、必要な場所に必要な台数で導入できる。無駄がない点も評価された。

「導入期間は約2ヵ月、といってもほぼ決裁に要した時間です。大きな金額ではない上に、あきらかに現場が楽になるものですから、社内の意思決定も早かったですね。その後、簡単なテストを行い、問題ないことがわかったので、ほかのstera端末にもアプリをダウンロードしました。トラブルは一切ありません。導入支援も丁寧で、質問にも迅速に答えてもらえたので助かりました」と岡田氏は説明した。


フロントの効率化、スマートな顧客対応が実現
「今後はほかの業務へも広げていきたい」

当初の目的だったFITの宿泊客については、Sカメラで100%対応できた。クレジットカードの有効性確認も併せてstera端末に集約されており、フロント業務は以前と比べて大いにスマート化された。藤木氏は「大変便利に使っています。フロントにおける想定した課題はすべてクリアできました。今までは1台の複合機をフロントスタッフで共有していましたが、今は約10台のStera端末に分散して作業できますので、お客様をお待たせすることもなくなりました。お客様によいサービスが提供できることが何よりです」と話した。

また、データ保管についても大きく変わった。従来は紙のコピーをレジストレーションカードに添付して5年間保存していたが、Sカメラ導入後はクラウドでの保存に切り替わった。藤木氏は「紙での保管にはスペースも手間も必要です。全社的に紙を削減していく流れがある中で、今回の導入は理に適うものでした。ペーパーレスにも大いに貢献できました」と語っている。

岡田氏も現場の声として、同様の感想を紹介してくれた。「実際にSカメラを利用している宿泊部の担当者は、紙による保存がなくなったことを大変喜んでいます。また、バックヤードにコピーをとりにいく必要がなくなった点も大きいとのこと。私たち管理部門は現場の業務をよくしていくのが仕事ですから、期待通りの効果が得られるとうれしいですね。近年導入したツールの中でも、Sカメラは顕著に成功した事例になりました」。

広報担当の山口氏は「海外からのお客様の比率は今後さらに増えることが見込まれますので、このタイミングでSカメラを導入できて本当によかったと思います」と評価している。

今後は、パスポート以外の分野にもSカメラの活用範囲を広げる考えだ。藤木氏は「本人確認書類の控えが必要なケースはほかにもありますので、既存の手法から置き換えていけるものがあれば対応したいです」と構想を語った。岡田氏も、「金融機関など厳格な個人情報管理を行う業界でSカメラの活用が進んでいると聞いて、安心を感じます。ホテル業界に応用できることがあればぜひ参考にして、当ホテルの運用にも取り入れていきたいと思います」と、さらなる効果につなげたいとの意向を語った。


会社プロフィール

社名
株式会社神戸ポートピアホテル
本社
神戸市中央区港島中町6丁目10番地1
URL
https://www.portopia.co.jp/

神戸ポートアイランドに立地するシティリゾートホテル。ウォーターフロントの美しいビュー、神戸市中心部や観光スポットへの便利なアクセスは、神戸を訪れる旅行客、ビジネスユーザーにとって魅力的な選択肢となっている。高品質のサービス、充実した設備には定評があり、神戸を代表する高級ホテルとして、1981年の開業以来長年親しまれている。