株式会社池田泉州銀行

約900台のiPadにKAITOを導入し、
行内システムへのセキュアなアクセスを実現

目的

渉外担当者にiPadを配布し、行内システムへのセキュアなアクセスを実現する

課題
  • 渉外担当者に配布するiPadの行内システムへのアクセスに際して、盗難・紛失に伴う情報漏えいリスクを減らしたい
選定理由
  • サーバを立てることなく、アプリケーション単体で利用できるためコストを抑えられる
  • 厳格なセキュリティ基準を設ける金融機関において導入実績がある
導入の効果
  • iPadから顧客や商談履歴などの重要な情報が漏れるリスクを極小化
  • 外訪先からのセキュアな行内アクセスを実現し、営業効率が大幅に向上
  • 顧客訪問前に営業資料を準備する手間が軽減

iPadからセキュアな行内アクセスを実現したい

株式会社池田泉州銀行 事務統括部 棚橋 広明氏

株式会社池田泉州銀行(以下、池田泉州銀行)は、2010年5月に池田銀行と泉州銀行が合併して誕生した独立系地方銀行だ。関西地域を主要地盤とする同行は、「地域第一主義」「お客さま第一主義」の理念のもと、地域との共存共栄をテーマに質の高い金融サービスを提供する。2016年4月を開始年度とする3年間の中期経営計画では、「7つの構造イノベーションの遂行」と「地元顧客基盤の拡充」の基本戦略を推進し、関西No.1のリレーションシップ地域金融グループになることを目指している。

同行では、早くからタブレット端末を活用した業務改革に取り組んできた。2012年には、夙川支店でのトライアルを経て約100台のiPadを各営業店に配布。窓口担当者は、投資信託のファンド情報やファンド比較、株価・為替情報などを確認できる専用アプリへのアクセス端末、および自行の商品・サービス情報、市況情報を閲覧するためのインターネット端末としてiPadを利用してきた。結果、窓口担当者はより丁寧な商品説明や質の高い提案を行えるようになった。

池田泉州銀行 事務統括部 棚橋 広明氏は、「窓口担当者がより丁寧な商品説明や質の高い提案を行えるようになったのはiPad導入の成果の1つです。数値的な成果が見えてくると、渉外担当者の間でもiPadを活用して外訪中にお客様の資産・取引情報を閲覧したいというニーズが高まってきました。こうした要望にこたえるべく、すべての渉外担当者にiPadを配布し、顧客情報管理システムやグループウェア、メールシステムなどの行内システムにセキュアにアクセスできる環境を整備する方針を固めたのです」と語る。


JMASの手厚いサポートで短期開発を実現

株式会社池田泉州銀行 事務統括部 堂前 勇二氏

池田泉州銀行は、2013年夏にプロジェクトを立ち上げ、安全な行内アクセス方式の調査・検討に相当な慎重さをもってあたった。まずは仕様や要件などを定めたRFP(提案依頼書)を作成し、複数のシステムインテグレータによるコンペを実施。「デスクトップ仮想化」「リモートアクセス」「セキュアブラウザ」の3つの行内アクセス方式と複数のサービスの組み合わせについて機能・コスト面での評価を行った。そして要件をクリアした方式とサービスを行内のテスト環境で運用・評価した結果、JMASのKAITOを導入することを決めた。

棚橋氏は、「KAITO は、Safariなどの標準ブラウザと同じような操作感で手軽に扱えますし、通信履歴やキャッシュ、Cookieなどのデータを端末に残さない運用を可能にしてくれます。サーバを立てることなく、アプリケーション単体で利用できるため、他の方式・サービスに比べてコストを大幅に抑えられることもメリットです。金融機関での実績も評価しました」と話す。

同行は、JMAS、ネットワークベンダー、キャリアによる共同プロジェクトに着手した。顧客情報管理システムについては、KAITO経由で利用させる機能やアクセス可能な情報を必要最小限にとどめることで画面の改修コストを圧縮。持ち出し承認機能を実装し、渉外担当者にはあらかじめ上席に承認された顧客情報だけを外訪先から閲覧させる仕様にした。

事務統括部 堂前 勇二氏は、「JMASは、ネットワークベンダーおよびキャリアとの定例進捗会議をとりまとめ、発生しうるシステムリスクの洗い出しや脅威への対策、評価のプロセスにおいて手厚く支援してくれました。われわれの要望に迅速にこたえ、約2か月という短期で開発を終えられたのは、JMASのサポートのおかげです」と語る。


KAITO経由で必要な情報を閲覧しながら
効率的な営業を展開

池田泉州銀行は、2015年4月より6営業店でのトライアルを開始。セキュリティ面や実用面に問題がないことを確認し、同年6月、KAITOをインストールした約900台のiPadを渉外担当者に展開した。

堂前氏は、「iPadのホームボタンを押せばKAITOは終了し、通信履歴などのデータが端末から消去されます。また、一定時間操作しなければKAITOが自動終了するため、端末から目を離した隙や端末の盗難・紛失時に情報を漏らしてしまうリスクは極小化しています」と語る。

現在、すべての渉外担当者は、外出先からKAITO経由で行内の顧客情報管理システム、グループウェア、メールシステムなどのサブシステムへセキュアにアクセスし、必要な情報を閲覧しながら業務を行っている。たとえば、顧客情報管理システムの顧客情報にアクセスすれば、商談履歴をその場で確認できるため、顧客からの問い合わせ対応の遅延やフォローのミスが減った。また、商談中に顕在化した課題やニーズを外出中に登録できるようになり、業務効率も向上したという。

また、渉外担当者は、顧客情報や自行の商品・サービス情報、市況情報を訪問先で閲覧するためのインターネット端末としてもiPadを利用している。これにより、顧客訪問前に営業資料を準備する手間が軽減し、提案に役立つ情報を瞬時に得ながらより質の高い営業活動を展開できるようになった。

KAITOの利用範囲は徐々に広がっている。2015年10月には、全139営業店の窓口担当者がKAITO経由で営業店システムにセキュアにアクセスできる環境を整えた。堂前氏は、「窓口では、iPadを用いて、外貨送金や外貨定期預金などの手続きに伴う伝票記入などの各種取引業務を行えるようになりました。これにより、窓口対応は迅速化し、顧客の待ち時間の短縮などの成果につながっています。当行でのKAITOの利用範囲は今後も広がっていくでしょう」と話している。


会社プロフィール

社名
株式会社池田泉州銀行
本社
大阪府大阪市北区茶屋町18番14号
URL
http://www.sihd-bk.jp/

池田泉州ホールディングスグループは、「関西No.1のリレーションシップ地域金融グループ」を目標に、お客さまのニーズに合ったサービスを提供できるよう、役職員一同、日々心がけております。 同行は、平成28年春、「第3次中期経営計画」を策定しました。「変えること」と「変えないこと」を明確にし、これらを「両輪」に「中心企業と個人を収益基盤とし、金利以外にも確固たる収益源を持つ、高収益かつROEの高い地域金融グループ」を目指しております。