聖望学園

KAITOを導入し、有害なWebサイトへの
アクセスを遮断できる体制に

目的

1人1台のiPadを生徒に配布するにあたり、有害なWebサイトへのアクセスを未然に防いでくれるセキュアブラウザが求められた

課題
  • 生徒を有害なWebサイトや危険なアプリに近づけないようセキュリティを担保したい
  • 保護者や教職員の目が行き届かない場所で生徒がiPadを利用することによるトラブルを防ぎたい
選定理由
  • 高度なフィルタリング機能を有する
  • 低コスト、かつ実績も豊富で、手軽に使える
  • 使い勝手に優れ、実績も豊富だった
導入の効果
  • 生徒が有害なWebサイトにアクセスしてしまうのを未然に防止できるようになった
  • セキュリティに対する保護者への説明責任を果たすことができた

タブレット端末で柔軟な
学習スタイルを実現したい

聖望学園 関 純彦 学校長

聖望学園中学校高等学校(以下、聖望学園)は、埼玉県飯能市にある共学の私立中高一貫校だ。教職員が生徒一人ひとりの学校生活をきめ細やかにフォローし、生徒の個性や可能性を最大限に引き出すための教育を実践することが特色。社会的・職業的な自立に必要なキャリア教育という視点を含めた進路指導にも力を入れている。

同学園では、教育現場のIT化を推進している。たとえば、高等学校では、予備校大手と提携したサテライト授業用端末として約100台のiPadを導入し、校内のWi-Fi網を整備。300人収容できる自習室でiPadを貸し出し、生徒が自由に映像配信授業を受講できる環境になっている。

関 純彦学校長は、「中学校にもタブレット端末を導入したいという思いは以前から強く、先生方と構想を練り上げてきました。従来型の授業形態は、先生が一方的に話し、生徒が板書をノートに書き写すことに費やされてきました。しかし、こうした授業では、生徒が積極的に発言したり、議論したりする機会は限られてしまいます。今までの授業スタイルを脱却し、生徒がより主体的に学習できる環境を提供してあげたい、という思いが今回のタブレット端末導入の出発点でした」と語る。

同学園では、柔軟な学習スタイルの実現を視野に、1人1台のタブレット端末を生徒に持たせ、自宅への持ち帰りを許可する方針を固めていた。時間や場所に縛られずに学習できるeラーニングの仕組みをタブレット端末上で提供し、基礎学力の向上や家庭学習の充実につなげたいと考えたためだ。


保護者の理解を得るには
セキュリティの担保が不可欠

聖望学園 永澤 勇気 教諭

聖望学園は、2015年9月、2016年度入学の中学1年生を対象に、1人1台のタブレット端末を配布するための準備をスタートさせた。タブレット端末の選定では、起動の速さや使い勝手、バッテリーの持ちなどを評価し、iPadを導入することを決めた。AndroidやWindowsを搭載するタブレット端末に比べ、iPadは利用制限を設けやすく、自由度の高さゆえのトラブルの発生を防ぎやすいこともポイントだった。

永澤 勇気教諭は、「生徒にiPadを利用させるにあたっては、保護者の理解を得ることが不可欠です。保護者や教職員の目が行き届かない場所で、意図せず有害なWebサイトに足を踏み入れてしまったり、興味本位で危険なアプリに近づいたりしてしまわないようiPadのセキュリティを担保することは重要な要件でした」と話す。

そこで、有害なWebサイトへのアクセスを未然にブロックできるいくつかのツールの検討を開始。高度なフィルタリング機能を備えていることはもちろん、コストや実績なども評価してJMASのKAITOを導入した。


iPadで知識を定着させる家庭学習を支援

聖望学園は、2016年4月、授業支援アプリとKAITO経由で利用するeラーニングの仕組みを導入したiPadを新中学1年生に配布した。入学式後にiPadを開梱し、保護者と必要な初期設定を実施。保護者が抱えるセキュリティへの不安を払しょくし、授業や家庭でのiPadの使用イメージを丁寧に説明することで、保護者の理解を得ることに成功した。

教育現場にiPadを持ち込んだことにより、授業スタイルは激変した。中でも、iPadを活用したアクティブ・ラーニングの授業を行えるようになったのは大きなポイントだ。たとえば、教員が扱う電子黒板と生徒のiPadを連動させ、授業に関連する写真や映像を各iPadへ配信したり、生徒に意見を促したりすることが可能に。全生徒の解答を電子黒板に一斉に映し出す授業スタイルもとれるようになり、生徒の授業への参加意識が高まった。生徒と教員、生徒同士の交流も増え、解法を理解した生徒がつまずいている生徒に教えてあげるコミュニケーションも生まれているという。教員も生徒の考え方や理解度をリアルタイムに把握し、より効果的な授業づくりに生かしている。

関学校長は、「これまで確立してきた授業スタイルをゼロから再構築するのは、先生方にとって大きな負担を伴うチャレンジでした。それでも生徒の学校生活をより有意義なものしてあげられるチャンスとポジティブにとらえ、アイデアを出し合い、試行錯誤を重ねてくれていることに感謝しています」と話す。

生徒がiPadを自宅に持ち帰り、KAITO経由で入力参加型のeラーニングを実践できるようになったのも大きな成果だ。この仕組みでは、生徒1人ひとりのレベルに合わせた難易度の問題が出題され、解答後に自動採点と解説が行われる。理解できなかった問題に何度も挑戦する反復学習も可能だ。時間や場所の制約を取り払ったことで生徒には自分のペースで楽しく学習する習慣が身につきつつあるという。

永澤教諭は、「KAITOのフィルタリング機能を有効にし、万一、生徒が有害なWebサイトへアクセスしても未然にブロックできるようにしています。セキュリティに対する保護者への説明責任をしっかり果たせたのは大きな利点でした」と語る。

聖望学園は、授業での安全な調べもの学習にKAITOを活用することも構想している。その際には、生徒が共通でアクセスするWebサイトのリンク集を一括で配信するKAITOの機能を利用する計画だ。授業の映像をライブラリ化し、生徒が受け損ねた授業をiPadで受講できる環境を提供することも視野に入っている。台風などで交通機関が不通になった場合、休校にすることが多いため、遠隔授業を実現するのも今後のテーマだ。

関学校長は、「高等学校でのiPadの個人配布も目指しています。たとえば、部活動に所属し、勉強時間を確保しづらい生徒を対象にiPadを配布し、すき間時間に学習できる環境を整えてあげたいと考えています。KAITOの利用範囲は今後さらに広がっていくでしょう」と話している。


会社プロフィール

社名
聖望学園
本社
埼玉県飯能市中山292
URL
http://www.seibou.ac.jp/

聖望学園は、埼玉県飯能市にある共学の私立中高一貫校だ。教職員が生徒一人ひとりの学校生活をきめ細やかにフォローし、生徒の個性や可能性を最大限に引き出すための教育を実践することが特色。社会的・職業的な自立に必要なキャリア教育という視点を含めた進路指導にも力を入れている。