- 株式会社 琉球銀行
行員に配布した965台のiPhoneにKAITOを導入
リンク集の一括配信やフィルタリングの活用で利便性とセキュリティを確保
目的
Webブラウザ経由で行内システムにアクセスするiPhoneに情報漏えい対策を講じる
- 課題
- 行員に貸与するiPhoneの盗難・紛失に伴う情報漏えいリスクを低減したい
- 通信履歴やキャッシュ、Cookieなどのデータを端末から自動消去したい
- 選定理由
- サーバを立てることなく、手軽に使い始められる
- 厳格なセキュリティ基準を設ける金融機関において豊富な導入実績がある
- リンク集の一括配信やフィルタリングなどの機能を利用できる
- 導入の効果
- 端末から顧客などの重要な情報が漏れるリスクを極小化する
- 行員が危険なWebサイトにアクセスしてしまうのを未然に防止する
- 最新のリンク集を一括配信し、ユーザの利便性を損なわない運用を行う
盗難・紛失による情報漏えいリスクを低減したい
株式会社 琉球銀行(以下、琉球銀行)は、沖縄県を主要な営業地盤とする地方銀行だ。同行は、2015年4月を開始年度とする3年間の中期経営計画「Shared Value 2015」のもと、IT・人材基盤・営業体制を整備。スピード(Speed)、問題解決力(Solution)、共感力(Sympathy)の3つの“S”を強化することで地域経済の成長・活性化に貢献し、「お客様から選ばれ、地域から圧倒的な支持をいただけるりゅうぎんグループ」の実現を目指している。
同行は、モバイルデバイスを活用した業務改革を推進している。2014年4月には600台のiPadを導入し、営業担当者や管理職、営業店の窓口担当者が行内のグループウェアやCRMシステム、各種業務支援システムに行内外からアクセスできる環境を整えた。
そして、モバイルデバイス活用の第二弾として、965台のiPhoneを導入する方針を固めた。iPhoneを行員に活用してもらうことで業務のさらなる効率化を図りたいと考えたためだ。
常務取締役 川上 康氏は、「スマホ導入の大きな狙いの1つは、お客様が銀行本体に問い合わせることなく、担当行員に直接コンタクトし、問題をすばやく解決していただける体制の構築です。加えて、Webブラウザ経由で行内のメールシステムやグループウェア、CRMシステムにアクセスし、必要な情報を出先から閲覧するといった用途を考えたときにスマホの選択は必然でした。これにより、さらなる顧客対応の迅速化、サービス品質の向上を目指したのです」と語る。
このような使い方を想定するiPhoneを導入するにあたり、セキュリティを確保することは重要な要件だった。行内システムにアクセス可能なiPhoneには、盗難・紛失などによる情報漏えいリスクがつきまとうためだ。顧客情報などの重要な情報を端末に残すことなく運用することが求められた。
金融機関での実績が豊富なKAITOを選定
琉球銀行は、iPhoneの導入にあたり情報漏えい対策ツールの選定を行った。複数のツールを機能や使い勝手、コストなどのさまざまな項目で検討・比較した結果、JMASのKAITO セキュアブラウザを導入することを決めた。
総合企画部 業務役 喜納 兼次郎氏 は、「KAITOは、操作をやめた後に通信履歴やファイルの閲覧履歴、キャッシュ、ローカルストレージ情報、Cookieなどのデータを自動消去してくれます。厳格なセキュリティ基準を設ける金融機関での実績も豊富ですし、手軽に使い始められることも評価のポイントでした」と話す。
KAITOの導入作業は滞りなく進行した。新たにサーバを設置することなく、端末にKAITOをインストールすればすぐに利用できるため、導入の負担はほとんどなかったという。喜納氏は、「KAITOの初期設定で、行員が共通でアクセスするWebサイトのリンク集を登録しました。管理者が定期的にリンク切れをチェックし、最新のリンク集を一括で配信できるため、ユーザの利便性を損ねることなく運用できるのもメリットでした」と話す。
KAITO経由で必要な情報を閲覧
効率的な営業活動を展開
琉球銀行は、2016年4月、KAITOを導入したiPhoneをほぼすべての本部行員、および営業店の渉外・融資担当者に展開した。川上氏は、「使用できるアプリや参照可能なWebサイトを厳しく制限することにより、せっかく配布したiPhoneを行員に使ってもらえなくなる状況は避けなくてはなりません。行員にiPhoneを常に持ち歩いて使ってもらうため、業務に役立ちそうなWebサイトのURLをできる限り登録し、キャリアから安全面で支障がないと認められた複数のアプリを展開しています」と話す。
iPhoneを配布された行員は、KAITO セキュアブラウザ経由で顧客のホームページや、自行の各種ローンのシミュレーションページ、証券取引所や情報提供プロバイダが配信する市況情報ページなどにアクセスし、提案に役立つ情報を即時に得ながら効率的な営業活動を展開している。また、今後、KAITO セキュアブラウザ経由で行内のメールシステムやスケジュール管理システム、CRMシステムへのアクセスを検討し、必要な情報を閲覧しながら業務を遂行することにより、業務効率は高まり、顧客対応も迅速化していく。
喜納氏は、「iPhoneを利用する行員は、情報漏えいや不正アプリの侵入などの危険を伴うWebサイトへ意図せずアクセスしてしまうことがあるかもしれません。このため、KAITOのフィルタリング機能を有効にし、有害なWebサイトへのアクセスを未然にブロックできるようにしています」と語る。
今後のiPhone活用とKAITOシリーズへの期待
琉球銀行は今後、iPhoneと行内システム間で画面情報だけをやり取りするシンクライアント環境を構築し、iPhoneの専用ポータルから行内システムへアクセスできる仕組みのリリースも検討している。この仕組みとKAITOを併用することで、ユーザの利便性を損なうことなくセキュリティをさらに強化したい考えだ。
またKAITOシリーズとしては、金融商品の提案・販売、融資などの業務を行う営業店窓口でのKAITO セキュアレコーダの活用も視野に入れている。KAITO セキュアレコーダは、スマートデバイスで音声データを録音と同時に暗号化してサーバへ非同期で転送後、端末から音声データを削除する機能を持った、高機能レコーダアプリだ。
川上氏は、「預り資産販売を行なう営業担当者は、お客様との面談記録を手作業でシステムへ入力しており、大きな負担となっています。この作業をKAITO セキュアレコーダーで代替すれば、現行の1取引あたり平均1.5時間の作業負担が削減でき、精度の高い証跡を残しながら情報漏洩リスクも削減できます。また、取得した音声データを即時連携することで従来にないモニタリング体制を構築し、顧客応対品質の更なる向上を目指します」と話している。
会社プロフィール
- 社名
- 株式会社 琉球銀行
- 本社
- 沖縄県那覇市久茂地1丁目11-1
- 設立
- 昭和23年5月1日
- 資本金
- 541億27百万円
- URL
- http://www.ryugin.co.jp
琉球銀行は、沖縄県を主要な営業地盤とする地方銀行だ。同行は、2015年4月を開始年度とする3年間の中期経営計画「Shared Value 2015」のもと、IT・人材基盤・営業体制を整備。スピード(Speed)、問題解決力(Solution)、共感力(Sympathy)の3つの“S”を強化することで地域経済の成長・活性化に貢献し、「お客様から選ばれ、地域から圧倒的な支持をいただけるりゅうぎんグループ」の実現を目指している。