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- 株式会社グラバーヒル ヒルトン長崎
ゲストの前で撮影、見える安心
stera端末とSカメラで実現する
月額500円からのパスポートリーダー

目的
複合機と紙による運用から脱却し、ヒルトンスタンダードに準じたパスポート情報の管理を行いたい
- 概要
- ヒルトン長崎の開業にあたり、新たにフロント業務を設計する必要があった
- ゲストのパスポート情報の管理は、ヒルトングループのガイドラインにより電子化する必要があった
- フロントで使うすべてのstera端末にSカメラを導入し、パスポート情報の撮影と適切な管理に成功した
- 課題
- 従来の複合機を使った運用では、一時的でも目の届かない場所でパスポートを預かることになり、ゲストに不安感を与えかねない
- 選定理由
- 決済のstera端末にアプリとして追加できる
- 月額5,000円(stera端末10台までインストール可能、1台あたり500円)という安価な価格設定
- シンプルで使いやすいインターフェース
- 効果
- 初期費用は極小、年間コストは想定の4割程度と、極めて安価に環境を準備できた
- パスポートをゲストが見える形で撮影できるようになり、安心感を持ってもらえるようになった
ヒルトングループの基準に従って
適切にパスポート情報を管理したい
2021年11月に開業したヒルトン長崎は、九州では2軒目となるヒルトングループのホテルだ。長崎駅の西口とは、歩行者専用通路で直結し、2021年11月に同時開業した長崎市交流拠点施設「出島メッセ長崎」にも隣接する。観光にもビジネスにも便利な立地となり、ブランドにふさわしい高品質なサービスが人気を集め、開業早々に長崎を代表するラグジュアリーホテルの地位を確立した。訪日外国人からの人気が高まりつつある長崎で、日々世界各地からのゲストを迎えている。
開業時、フロントのパスポートリーダーとして選ばれたのが、アプリとして決済端末steraに搭載できるSカメラだ。館内のフロントなど計5ヵ所に設置されたstera 端末5台のうち、まず3ヵ所に導入し、その後、段階的に追加導入した。現在では宿泊部門が使用する全stera端末にSカメラが搭載されている。
同ホテルを運営する株式会社グラバーヒルは、同じ市内のANAクラウンプラザホテル長崎グラバーヒルも手掛けており、その実績が知られている。先行するホテル事業で培ったノウハウは豊富だが、新ホテルはヒルトングループの基準に適合させる必要があるため、フロント設備も改めて検討し、機器やシステムの選定を行うこととなった。当時、中心となってフロントの開業準備を進めたのは、宿泊部長の下玉利健氏、フロントレセプション・アシスタントマネージャーの諸石朋美氏だ。導入の経緯や導入効果について、お二人に伺った。

フロントレセプション・アシスタントマネージャー 諸石 朋美 氏(右)
手間も時間もかかる従来の運用では
ゲストの満足感にマイナス
法令で定められたインバウンド顧客の個人情報管理のうち、パスポートに関しては、従来複合機を使ってコピーを取り、紙で管理を行ってきた。しかし、新ホテルではデジタル化が規則のため、新たな仕組みが必要になった。下玉利氏は、従来の運用に以前から課題を感じていたという。「複合機は通常、ゲストの目につかないバックヤードに設置します。そのため、ゲストからパスポートを預かったら、それを手にバックヤードまで下がり、コピーしてから戻ってくる必要があるのです。ゲストから見たら、パスポートを自分の目の届かない場所に持っていかれてしまうわけですから、心理的にも不安があると思います」。
諸石氏はコピーにかかる時間についても問題視していた。「バックヤードを往復する時間のことも気になっていました。フロントは十分な広さを持って設計されています。複合機からカウンターの一番遠い位置まで往復するとなると、それなりに時間がかかるのです。お待たせしてしまうことにもなりますので、やはりカウンター上でコピーできる環境にしたいと思っていました」。
stera端末 + Sカメラという最適解
専用端末不要で初期コストを大きくカット
「Sカメラは、決済端末『stera』の導入時に、担当者から紹介してもらいました。これならstera 端末の内蔵カメラを使えるので、別途撮影環境を用意する必要がありません。1ライセンス月額500円(税別)と安価で、初期費用も大幅に抑えられます。気になったのは画質ですが、試してみたところ十分なもので、必要なデータはしっかりと記録できていました」と、下玉利氏は選定時を振り返った。
当時、Sカメラのほかに候補に上がっていたのは、専用端末を利用するパスポートリーダーだった。しかし、ニーズにはフィットしなかったと下玉利氏は言う。「まずコストの問題がありました。チェックイン対応ができるカウンターは、ホテル全体でフロント、エグゼクティブラウンジなど5ヵ所ありますが、パスポートリーダーだと3ヵ所への設置が限界です。専用端末ですからそれだけ高額になるのは仕方ありませんが、フロント業務用としては、機能、性能ともに過多に感じました。また、カウンターに設置するIT機器はできるだけ減らしたいという思いがあり、アプリとしてstera端末に集約できるSカメラなら、よりスマートだと思いました」。
最終的にホテル内の宿泊部門で使用する全stera端末にSカメラが搭載されることになった。
チェックイン時、ゲストはstera端末で決済を行い、立ち会うフロントスタッフが端末に搭載されたカメラにパスポートをかざし情報を登録する。パスポートをゲストの目の届かない場所まで持って行く必要がなくなり、安心感を高めることができた。撮影されたデータはスタッフがブラウザで確認後、サーバーに保存。自動で月次のフォルダーに仕分けされる。
目覚ましいコストメリット
顧客満足度とスタッフの利便性を両立

導入効果として特筆するポイントは、コストメリットだ。Sカメラに必要なコストは年間6万円(税別、内訳:500円 × 10アカウント × 12ヵ月)で、初期の端末購入費等もなし(※stera端末を活用)と非常に手軽なものだった。実は導入時に専用端末を使ういわゆるパスポートリーダーでも試算したが、年間保守契約9万円と初期費用約120万円となった。比較すると、Sカメラのコスト優位性は明らかだ。
また導入後の感想として、諸石氏は次のように語った。「月間100件以上の撮影を行っています。たとえばご家族でのご宿泊なら1度のチェックインで人数分の撮影が必要ですし、枚数はすぐに増えますね。ゲストからは特に使い方の質問を受けることもなく、トラブルもありません。皆さんスムーズにご利用されています」。
シンプルなアプリは、ゲストだけでなくホテルのスタッフにとってもわかりやすい。「スタッフ向け説明会を開催し、その後すぐにオープンを迎えましたが、問題なくスタートできました。操作が難しいという声は一切ありません」と下玉利氏は語っている。
今回、ヒルトングループのスタンダードに準拠しながら、法令や行政機関の要請にも問題なく応じることができるようになった。また、ゲストには安心感、スタッフには利便性を提供できた。しかも、これらすべてが安価に実現できたという、全方位にメリットのある導入となった。
最後に広報の小林直樹氏より、ヒルトン長崎の近況についてお伺いした。「長崎は地方都市の中でも特に海外のお客様から人気を集める土地柄です。今まで知名度のあるグローバルブランドのホテルが少なく、私どもの開業は地元の振興策としても大いにご期待いただいています。ゲストの皆さまには、ぜひ魅力ある長崎を楽しんでいただければと思います。特に日本料理は『長崎前』として、地元の海の幸を活かした独自のすしをご堪能いただけるレストランを用意していますので、機会がありましたらぜひ足をお運びください」。
ヒルトン長崎より ~長崎前~
ヒルトン長崎(長崎市尾上町/総支配人 鈴木英夫)では、館内の「日本料理 瓊鶴海(たまつるみ)」で提供する寿司を「長崎前(ながさきまえ)」として提唱。かつてネタが日持ちするようにと加えたひと手間が、やがて素材の味わいを引き出す技法へと発展した“江戸前”にならい、素材の持ち味を引き出すべく、職人のこだわりの技に、当店独自の工夫を加えた長崎由来の調味料や、ソムリエ/酒ディプロマの資格を持つスタッフがおすすめする個性豊かな地酒と共にご堪能いただく唯一無二の美食の体験。それが「日本料理 瓊鶴海」が謳う「長崎前」です。
”長崎での旅の体験”として、国内外から長崎へお越しになる旅行者へ提供するとともに、水揚げされる魚の種類全国1位の長崎の魚の多彩さと魅力を広く配信しております。

会社プロフィール

- 社名
- 株式会社グラバーヒル ヒルトン長崎
- 本社
- 長崎県長崎市尾上町4番2号
- URL
- https://www.hilton-nagasaki.com/
2021年開業、九州で2軒目となるヒルトンホテル。長崎駅直結、出島メッセ長崎に隣接する便利な立地で、インバウンドの観光需要のみならず、国内観光客やビジネスユーザーからも支持を集める。運営企業となる株式会社グラバーヒルは、長崎観光のリーディングカンパニーとして、長年にわたり地域経済の発展に貢献している。